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警視庁捜査1課の元警部「火災のエキスパート」が現場から現金窃盗 初公判で起訴内容認める

事件・事故 - 2025年8月13日 19時00分
「火災の原因を究明するエキスパート」とされた警視庁捜査1課の元警部が捜査で訪れた火災現場で現金を盗んだとして窃盗の罪に問われた事件について、8月12日に初公判が行われ、政野亮二被告(51)は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

起訴状などによりますと政野被告は2022年10月から2025年1月にかけて、東京都内で発生した3件の死亡火災現場で現金合わせておよそ640万円を盗んだとされています。

検察側は冒頭陳述で、被告が住宅ローンや子どもの学費の支払いに漠然とした不安を抱えていたと指摘し「事件性のない火災現場では詳しい捜査がされないと考え、生活費の足しにするために盗んだ」としました。また、臨場した消防士が現金をポケットに入れる被告を見て、犯行が発覚したことも明らかにしました。

政野被告は今年=2025年5月に逮捕され、7月に懲戒免職処分となっています。

<“火災のエキスパート”が現場から窃盗 動機は>

今回の初公判で分かった事件の概要について、検察側の主張を基に見てみます。

まず、犯行に及んだ動機について、政野被告は犯行当時、家のローンの繰り上げ返済や子ども将来の学費を考え「生活にもっと余裕があるといいな」と漠然と不安を持っていたということです。政野被告は捜査1課で火災の捜査に長く従事していて経験も豊富でした。このため、出火の原因などを調査し、事件性のない現場は詳しく捜査されないと思い、犯行に及んでいました。犯行に当たっては「まずいまずい」と思いながらも家族を考え、現金を持ち出していたということです。

また、盗んだ現金については自分自身の名義の口座に一度入れていて、必要に応じて学費などを家族の口座に入れていたため、政野被告の犯行に妻は気付いていなかったとしています。

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