八王子市 滝山病院 看護師による暴行事件第三者委「職員の関心の乏しさあった」
事件・事故 - 2023年12月18日 20時00分
日常的な虐待行為や病院の深刻な態勢の不備が指摘されました。看護師らによる患者への暴行事件が起きた八王子市の滝山病院について第三者委員会が報告書を公表しました。「非常勤の職員が多く問題への関心の乏しさがあった」と分析しています。
委員長:「長年にわたり病院内の状況に気づかず放置あるいは助長させた滝山病院の経営陣及び院長を始めとする医療体制の怠慢と無責任に原因の一端があることも指摘せざるを得ない」
第三者委員会による報告書では、職員や患者への聞き取り調査の結果が示され、看護師が、患者の襟元を掴んで首を絞めたり、複数の患者の顔にお湯をかけたりしていた暴行の具体的な内容が明らかとなりました。
そして背景には「非常勤職員が多く、暴行を見聞きしておきながら放置するなど、問題への関心が乏しかった」ことがあったと指摘。病院運営を行う組織のトップらによる監督責任が問われるべきだと言及しています。また東京都の検査体制にも問題があったとしていて、予告したうえで実施する現状の検査の見直しが必要だと指摘しました。滝山病院は今後、報告書をもとに改善に向けた対応策をまとめ、東京都に提出する予定です。
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報告では一部の職員による日常的な虐待行為、そして「問題を正そう」とする対応が取られてこなかったことが明らかとなりました。
今年6月から7月にかけて実施された滝山病院の職員へのアンケートによりますと、周りの職員が患者に対し、「虐待に該当しうる行為を行なったのを見聞きしたことがあるか、あるいは自身が行なってしまったことがあるか?」という質問に対し242人中、約4分の1にあたる67人が「ある」と回答しています。
そして、「虐待を注意したり病院や上司に報告するなど適切な対応をしなかったことがある」とする人は144人中、39人にのぼりました。その理由として「注意や報告をしても改善が期待できない」「報復されるおそれがあるから」などという回答となっていて、組織体制に不備があったことが明らかとなりました。
また背景に非常勤職員が極めて多かったことも指摘され、医師では80%、看護師では90%が非常勤だったため、一部の常勤職員が優越的地位となっていて、「相互に干渉しない」「無関心な状況が蔓延していた」といった問題も指摘されました。