マッチングアプリ悪用か…障害者狙ったぼったくり 被害男性が証言「バーで70万円請求」
事件・事故 - 2025年8月1日 19時00分
障害者向けのマッチングアプリを悪用しぼったくりを行ったとして男女3人が再逮捕された事件で、被害に遭った男性がTOKYO MXのカメラの前でつらい思いを打ち明けました。
視覚障害がある20代の男性は今年2月、マッチングアプリを悪用したぼったくり被害に遭いました。この男性の被害を巡っては7月30日、元社交飲食店・従業員の佐古壮汰容疑者(22)と葛西寛人容疑者(24)、それに菅原梨那容疑者(24)の3人が逮捕されています。
被害に遭った男性は「(ぼったくりについて)知ってはいたが、自分は大丈夫だと思っていてもだまされる時はだまされてしまうんだなと思った」と振り返ります。そして「話しやすい、穏やかな雰囲気の方だなと思った」と、女と出会った時の印象を語りました。
障害者向けのマッチングアプリを通じ「リサ」と名乗る菅原容疑者と出会った男性は、誘われて「飲み放題1人5000円」という渋谷区内のバーに入店しました。ゲームなどをしながら勧められた大量の酒を飲みましたが、その酒は“飲み放題の対象外”だったとして、店員から請求された金額は合わせて70万円でした。男性は「(高額請求に)結構驚いた。一瞬冷静になったが、払わなくてはいけないと思ってしまい、結果的に払ってしまった。(被害当時は)結構落ち込む気持ちと容疑者らに対する怒りみたいなものがあった」と語りました。
2人の容疑者に連れられて近くのコンビニエンスストアのATMで現金を下ろして70万円を支払ったという男性は、容疑者たちの逮捕を受け「少しひと安心。これからどうなるか分からないがなるべく長い間刑務所に入り、反省するか分からないが反省してほしい」と今の思いを語ってくれました。
逮捕された3人は容疑を認め、障害者を狙った理由について「障害者は実家暮らしで金があると思った」などと供述しているということです。
<障害者狙いぼったくりか…手口は? 逮捕されたグループには母子も>
今回取材に応じてくれた視覚障害のある20代男性は、障害者向けのマッチングアプリを通じて菅原容疑者と出会い、その日のうちに会う約束をして、待ち合わせ場所に来た菅原容疑者が「行きたい」という渋谷区のバーに向かったということです。店では「飲み放題1人5000円」と説明を受けましたが、ゲームなどを通じて勧められた少量の酒を何杯も飲み、大量の酒を飲んだ結果、その酒は“飲み放題の対象外”だとして、店員の佐古容疑者から40万円の請求をされたということです。高額請求に驚きながらも「支払わなくては」と感じた男性は、佐古容疑者・菅原容疑者と共にコンビニのATMへ行き現金を下ろし、その直後にも「請求額が間違っていた」などと理由を付けられ、最終的に合わせておよそ70万円を支払ったということです。
逮捕された3人を含むぼったくりグループによる被害は去年=2024年9月から今年5月までの期間で57件、総額およそ8500万円に上るとみられます。
このグループの中には別の「親子」も含まれています。同じく7月30日に逮捕された永井博美容疑者(49)は、息子の麗央容疑者(21)からの誘いでぼったくり行為を始めたと供述しています。当初は息子に「捕まるからやめた方がいい」と声をかけていたということですが「生活が厳しく、生活費の足しにするため」としてぼったくり行為を行ったと説明しているということです。博美容疑者はマッチングアプリで男性との約束を取り付ける役割をして、これまでにおよそ90人を誘ったとみられています。