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江東区木村区長が虚偽説明か 議員会館で動画撮影

事件・事故 - 2023年11月2日 20時00分
 江東区の木村弥生区長が公職選挙法違反事件をめぐる会見で虚偽の説明をしていた疑いが浮上です。「選挙スタッフ1人以外に関与していないと説明していた有料の広告動画は、自民党の柿沢未途衆院議員の名前で手配された議員会館で撮影していたことが分かりました。
「今までのよどみをちゃんと一掃して、クリーンな健全な当たり前の区政を実現していきたいと思いました。」
江東区長選の期間中、木村区長の陣営がユーチューブに掲載した有料の広告動画をめぐっては、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで捜査しています。「木村やよいに投票してください」と訴えたこの広告動画が、永田町にある議員会館の会議室で撮影されていたことが、新たに分かりました。
「動画の撮影場所となった議員会館の会議室は、柿沢議員の秘書が手配したとみられています」
 会議室の予約は、10月31日関与を認めて法務副大臣を辞任した自民党の柿沢未途衆院議員の名前で手配されていたということです。江東区を地盤とする柿沢議員は江東区長選で、「アドバイザー」として木村区長を支援していました。しかし木村区長が辞職を表明した直後、自身のSNSには…
「政策的にいくつも響き合うものがあり、私からの提案も耳を傾けてくださいました。初の女性区長がもたらす空気の変化に、期待を高めていた区民も多かったと感じています。自民党衆院議員としてのキャリアと人脈をお持ちであったのも強みでした。こんな風になって、本当に残念です。」
 木村区長は東京地検の任意の調べに対し、『柿沢さんから「ほかでうまくいったからやった方がいい」と勧められた』と供述していて、柿沢議員も勧めたと認めていますが、「違法性の認識はなかった」と説明しています。一方、木村区長側は動画撮影の経緯について、8月の釈明会見では「掲載した選挙スタッフ1人以外に関与した人はいない」と説明。これが、虚偽の説明だった可能性が浮上しています。
「(スタッフとのやりとりは)4月の話でいつもやりとりをしてきた中であいまいな記憶の中で、いろんな提案をしてくれた中の一環で、じゃあちゃんとやってねというような、私の中ではこれまでにもいろんなところで適法な形でお願いをしていたのでその延長線上で言ったのではないかと思う」
こうした事態に江東区民は…「柿沢さんが絡んでたということであんまり良くないことだね」「うそはいけないよ」「大変がっかりですね」「結論からすれば許されることじゃないですよね」「せっかく女の人が区長になったからちょっと変わるかなと思ったんですけどちょっと早すぎた柿沢議員も江東区でさ江東区、もうがっくりです」
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木村弥生区長と柿沢未途議員の関係をめぐってはその深さをものがたるこんなものがあります。こちらは木村区長の公職選挙法違反の疑惑が浮上してから初めて行った8月の会見で司会を勤めていた陣営幹部の名刺です。木村弥生後援会と書かれたすぐ横に柿沢未途後援会とあり、後援会のスタッフが兼務するほどのつながりだったことが分かります。今回の事件で柿沢議員の関与が次々と明らかになることで木村区長が8月に行った釈明会見で虚偽の説明をしていた可能性が浮上しています。詳しく見ていきますと…
木村区長側は会見では今回、問題となっているユーチューブの有料広告の掲載について「掲載者は選挙スタッフ」で「掲載者以外に本件に関与した人物は存在いたしません」と断言していました。しかし広告の掲載は柿沢議員が「効果がある」「ほかでうまくいったからやった方がいい」などと提案されたことで決まったと木村区長が認めていて、この点で、木村区長側が虚偽の説明をした疑いがあります。また木村区長は会見で「私の監督不行き届きだった」と自身の直接的な関与は暗に認めない発言を繰り返していました。さらに木村区長がこれまで行った4回の会見では柿沢議員の名前は一度も出しておらず、責任を選挙スタッフ1人に負わせようとしたり、柿沢議員の関与を隠蔽しようとしていたとも考えられます。柿沢議員は、これまでこの事件について公の場で説明をしていません。
ここで訂正です。きのう(1日)放送した木村区長に関するニュースの中で、「東京地検特捜部の家宅捜索を受け、区長が辞職した」とお伝えしましたが、辞職するのは今月15日付けですので、正しくは「辞職の意向を示した」でした。訂正してお詫びします。

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