狛江市の住宅で90歳の女性が遺体で見つかった事件で、千葉県警が別の事件で逮捕した容疑者の携帯電話に“この女性の家に強盗に入る”趣旨の記録があったことが新たに分かりました。

　1月19日午後5時20分ごろ、狛江市駒井町にある住宅で、この家に住む大塩衣與さん（90）が頭から血を流した状態で見つかりました。大塩さんは両手首を結束バンドで縛られた状態で床に倒れていて、その後、死亡が確認されました。事件があったのは多摩川沿いの閑静な住宅街で、一夜明けた20日も朝から警察による現場検証が行われました。

　近所に住む人からは「朝とか帰り、病院行くのか分からないが、通った時に顔を見た。元気で歩いていた」「向こうの方からいつもバス停に行くみたいで『おはようございます』とあいさつしていたのだが…」といった声が聞かれたほか、小学生の子を持つ親からは「（きょうは）朝7時過ぎぐらいに『集団登下校する』という一斉メールが学校から送られてきた。朝も一緒に行って　帰りも一緒に帰ってきた。学校でそういう対応をしてもらえて安心して見守っている。とにかく平和なのんびりした街なので、事件が信じられないというのが一番」などといった声も聞かれました。

　警視庁によりますと玄関の鍵は開いていて、室内の棚が開けられるなど何者かに荒らされていたということです。

　茨城県や千葉県など関東では数人の男による強盗致傷や窃盗事件が相次いで発生していて、2022年12月に起きた渋谷区の店でネックレスなどが盗まれた事件ではいずれも19歳の男3人が逮捕されていることが判明しました。また、千葉県警が逮捕した事件の容疑者の携帯電話には「大塩さんの自宅を狙って強盗に入る」趣旨の記録があったことから警視庁に情報提供があり、今回の事件の発覚に至ったということです。

　警視庁は関東で発生している強盗事件との関連も含め、強盗殺人事件として捜査を進めています。

＜90歳女性に何が…　事件の発覚まで＞

　狛江市で起きた今回の強盗殺人事件について、現時点で分かっていることをまとめました。

　事件があったのは狛江市駒井町の多摩川沿いの住宅街にある地上2階・地下1階建ての住宅です。亡くなった大塩さんは息子夫婦、そして孫2人と一緒に住んでいたということです。

　時系列で見てみると、19日の午前10時半ごろ、大塩さんが自宅の前を1人で歩く姿を近所の住民が確認しています。しかし午後2時46分、千葉県警から警視庁に「大塩さんの自宅が強盗に狙われている」という趣旨の情報提供があったということです。そのおよそ2時間半後に警察官が大塩さんの家に到着し、家族と共に午後5時17分に家に入ったといいます。

　玄関の鍵は開いていて、室内は棚が開けられるなど荒らされた形跡があり、地下1階の廊下で両手首を縛られて倒れた状態の大塩さんが見つかりました。大塩さんは頭から血を流し左肘は骨折していて、暴行を受けたとみられています。

　茨城県や千葉県など関東では数人の男による強盗致傷や窃盗事件が相次いで発生していて、警視庁が関連も含めて捜査を進めています。