都内で広がるひきこもり支援 駄菓子屋で交流「体験談伝えるVチューバー」/V-tubers Supporting shut-ins
福祉・教育 - 2024年5月16日 20時00分
5月は「孤独・孤立対策強化月間」です。政府は孤独になる人を減らそうと、交流の場や居場所づくりなどの取り組みを強化しています。孤独・孤立の中でも対応が急がれているのが「ひきこもり」です。内閣府の最新の調査では、全国で15歳から64歳のうち、ひきこもり状態にある人は推計で146万人となっていて、生産人口のうちおよそ2%がひきこもりとなっている計算となります。都内の自治体でも「ひきこもり」支援が急務となる中、駄菓子屋やVチューバーを活用した独自の取り組みが行われています。
東京・江戸川区が運営する駄菓子屋「よりみち屋」は、ひきこもり状態にある人が気軽に立ち寄り、安心して過ごせる場所として開設されました。この日、レジを打っていたのは中学3年生からおよそ4年間にわたるひきこもり経験を持つ小野寺さんです。小野寺さんは1年前の開設当初から自身の経験が少しでも生かすことができればと、スタッフとして働き始めました。
小野寺さんは1年前「ひきこもりの人を何とか社会復帰にもっていけるかなという手伝い・サポートをしていきたいので、ひきこもりの人のリスタート地点になれたらなと思っています」と話していました。
働き始めた時は「人とのコミュニケーションが難しかった」と話した小野寺さんですが、1年間働いたことで前向きに人と交流できるようになったと明るい表情で話しました。
小野寺さん「苦手なものに関して逃げるように避けていたが、今は苦手なものを苦手ではなくなるように、克服したいという気持ちがあってどんどんチャレンジしていきたいという気持ちになってきた」
この駄菓子屋はひきこもりの人の就労体験の場にもなっていて、初めは15分から体験することができ、仕事に慣れていけば本人の状態をみてレジ打ちや接客をできるようになります。
ひきこもり支援は墨田区でも行われています。女子高校生キャラクターの「Vチューバー」、『つきみ』と『だんご』の2人です。Vチューバーとは「アバター」と呼ばれるキャラクターに自分の声を乗せて動画投稿する人のことで、墨田区は4月からVチューバー使ったひきこもり支援の動画配信を始めました。メンバーの1人『つきみ』はひきこもりの経験があり、配信する動画でも自身の体験談を話しています。先週配信された最新回のテーマは「いじめといじりの境界線」でした。
墨田区の担当者によりますと「ひきこもりに対する考えが変わった」「体験談が勉強になった」などの声が寄せられているということです。