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小中学校の校庭から大量のくぎ…埋まっていた“危険”は他にも… 

福祉・教育 - 2023年5月30日 20時10分
特集です。さび付いた大量のくぎ…これらはすべて杉並区にある小学校の校庭で見つかったものです。取材を進めるとくぎが埋まっていた背景…そして、埋まっていた危険がくぎだけではないことが明らかになりました。
今月17日…杉並区の小学校では…「作業員らが金属探知機を手に校庭を調べています」慎重に校庭を調べる4人の作業員。彼らが探しているのは「くぎ」です。
この小学校では先月(4月)13日、児童が体育の授業中に転倒した際、地面から突き出たくぎで十数針を縫うけがをするという事故が起きました。校庭の調査を実施した結果、これまでに544本のくぎなどが見つかっています。この事故を受け、杉並区は土の校庭をもつ区内63の小中学校で金属探知機による調査を開始。今月25日、杉並区の別の小学校で行われた調査に同行しました。
「金属探知機による調査が始まっています。4メートルの幅のロープの間を4人の作業員が漏れがないようにチェックしています」調査の撮影を始めるとすぐに探知機に反応が…「U字型になっている少しさびたくぎのようなものが出てきました」見つかったのは長さ約12センチのU字型のくぎでした。その後も校庭のいたるところから同様のくぎが次々と見つかります。
「触ってみますと、かなりさびていて、肌に食い込んできます」
7時間ほどの調査で見つかったくぎは265本に上りました。杉並区ではそのほかの小中学校でも調査を行い、きょう(30日)までに6673本のくぎなどが見つかっています。なぜ小学校の校庭に大量のくぎが埋まっていたのでしょうか。学校の安全に詳しい専門家は長年にわたる見落としが大量のくぎにつながったと分析します。
専門家:「体育の授業の中でもいろいろな競技種目があって 部活動もあるあるいは運動会」「その目印としてくぎが使われていた」「それが地面に埋め込んであったりするとなかなか気づかない 一応チェックはしているが見落としてきた」
現役の教員の話しをきくとくぎを回収する場合、巻きつけられたテープを目印に1本1本手作業で抜いているといいます。実際に体験してみると…
「素手でひもを引っ張ってもなかなか抜けないので、ペンチでくぎの頭をつかんで引き抜く」
杉並区の教育委員会は目印のテープが切れ、くぎの位置がわからなくなり、そのまま放置されていたとみています。
教育委員会青木さん:「まさか残っているという発想がなかったので、それでけがをした児童が出てしまった」「本来校庭には残っているべきではない。残っていてはいけない」
さらに今回の調査ではくぎ以外の危険物も見つかりました。
業者鈴木さん:「パイプや水道管もある」いくつも見つかった鉄筋や水道管などの金属部品やごみ…その数は21個に上りました。
区の教育委員会によりますと学校で工事を行った業者が余った廃材などを校庭に埋めていった可能性があるということです。
教育委員会青木さん:「建築物の廃棄物のようなものも含まれているため 工事業者に(埋めてしまう)ような処理の仕方をしないよう指示をしていく」
専門家はこうしたくぎや廃棄物の危険は学校だけではなく地域を巻き込んだ点検が必要だと指摘します。
専門家:「まず校庭にくぎが埋め込んである すごく危険だよねと考え始めるところ いまようやくそのスタートラインに来たところ」「広い校庭に埋め込んであるくぎを教員だけに見つけさせるというのはなかなか現実的に難しい」「ぜひ地域の皆さんの力を借りながら」「 子どもの安全を守っていく仕組み作りが必要」

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