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無料で食事&居場所を提供 都内でも広がる子ども食堂

福祉・教育 - 2023年12月14日 20時20分
子育て支援策が国を挙げて進められる中、子どもたちに無料で食事を提供する「子ども食堂」の取り組みが都内でも広がりを見せています。
「いただきます。」豊島区で先月、1日限定の子ども食堂が開かれ、子どもたちや親子連れに、ボリュームたっぷりの生姜焼きや、温かい豚汁といった手作りの料理が無料で振舞われました。
「生姜焼きと…なんだっけ キャベツを巻いて一緒に食べるのがおいしい」
評判の料理を作っているのは、都内の高校生たちです。この日は、開店の3時間ほど前から料理の仕込みを始めていました。
「全体で25人分。これでもまだ3分の1程度」「Q.料理は普段は?」「普段は母の手伝いで家でやる程度。なかなかない経験ですね、25食作るのは」
今回の取り組みは子どもの学習支援を行う区内のNPO法人などが初めて開催したもので、ふだん子どもたちに
勉強を教えている高校生たちが腕によりをかけた食事が親子の笑顔を生み出しました。
「Q.どれが一番おいしかった?」「全部」「私はシングルマザーで実家に住んでいるので(子どもが)1人になることはないが、こういう存在があるとすごく助かる」「ぜひ続けてもらいたい」
食事の後には、子どもたちが宿題を手伝ってもらう場面も…無料の食事を提供し、勉強を教えた高校生たちですが、子どもたちからいろいろなことを学ぶ機会となったようです。
「こんな大人数分を一気に作ったことがなかったので、味付けが大変だったが、来た人に「おいしかった」と言ってもらえて嬉しかった」「家と学校と別の「第3のコミュニティ」として新しい居場所を提供する役割を果たしていきたい」
そして…子ども食堂の取り組みはラーメン店でも…。新宿区歌舞伎町にあるこちらの店の看板メニューは秘伝のスープにたっぷりの野菜が入った、「おいしいラーメン」で、2日間限定の子ども食堂では、子どもは無料、大人は半額で提供されました。
「おいしい」「本当にありがたい。外で食べると結構お金がかかってしまうので、頻繁には行けないので本当に助かる」
大阪府に本社を置くこのラーメンチェーンでは、数年前から子ども食堂を定期的に開いていて、関東での開催は今回が初めて。今後も支援を必要としている子どもたちに食事を届ける仕組みを考えていく方針です。
「本当におなかがすいている子どもたちは、家に閉じこもっていたり、(子ども食堂に)触れるところにいないと思う」「おなかがすいた子どもたちを1人でも減らしたいという思いを持ってやっているということを徐々に、本当におなかがすいている子どもたちに届くようにしたい」
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子ども食堂は子どもの貧困対策や居場所づくりを目的に都内でも広がりをみせ、地域の中で重要な役割を担うようになっています。その一方で今後の課題もあるようです。
足立区で6年前から子ども食堂を運営している川野さんにお話を伺ったところ、「支援を必要としている子どもはまだまだいる」と指摘しています。というのも子どもは、自分自身では貧困や家庭の問題に陥っていることに気付くことが難しく、その状態が当たり前で、助けを求められない状況になっている可能性があるということなんです。川野さんは、こうした本当に助けを必要としている人に支援が届くようにすることが、今後の課題だと話しています。
また、困窮する家庭に対して自治体なども支援を行っていますが、こうした家庭は、社会とのつながりが希薄なため、孤立してしまい、公的な支援から取り残されてしまうケースも珍しくないということです。そしてそういった家庭を孤立させないためには、子ども食堂など地域に根ざした民間の支援者が、それぞれの家庭と関係性を密にして、「おせっかいな支援」を続けていくことが必要だと話していました。

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