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「目」から浴びる紫外線が熱中症リスク要因に 日本のサングラス所持率は低水準

福祉・教育 - 2025年7月9日 19時00分
東京都内は7月9日、都心で最高気温が34.7℃となり、4日連続となる熱中症警戒アラートが発表されました。危険な暑さへの警戒が続く中、街行く人は日傘を差したりサングラスをかけたりして強い日差しをしのいでいました。

都内で開かれたサングラスの新商品発表会で、目から紫外線を浴びることで熱中症などの健康被害につながる恐れがあることが発表されました。この中で眼科医の有田玲子医師は「目から紫外線が入ると、視力を出す網膜は脳みその一部なので体温をコントロールできなくなってしまう」と説明しました。有田医師によりますと、紫外線を目から浴びると自律神経の不調を引き起こし熱を感じやすい体になり、熱中症のリスクが高まってしまうということです。

目を紫外線から守るために有効なのが「サングラス」です。しかし眼鏡メーカーの発表では国内でのサングラス所持率は12.1%で、欧米諸国の60~80%と比較すると低い水準にとどまっているということです。

街行く人たちにサングラスについてどう捉えているのか聞いてみると「レジャーの時が多く、あとは運転中とかばかり。仕事の時とか日中はなかなか使えない」「街中ではあまり使わない。観光に行った時は使う。外したりするのが少し面倒くさい」などといった意見も聞かれました。その一方で外国人観光客からは「日差しが強くてまぶしいから、サングラスを持っている。日本ではサングラスを使わない人が多いと思う。私の国ではみんなサングラスや帽子を持っている」(スウェーデンからの観光客)といった声もありました。

眼鏡メーカ―は、サングラスはファッション目的での使用が多いため、色が薄いレンズやクリアレンズなど日常使いがしやすいサングラスの開発を進め、目を守るアイテムという認識を広げたいとしています。

<有効なサングラスの選び方とは>

眼科専門医の有田医師によりますと、目から紫外線を浴びることで自律神経の乱れや全身の疲労感、筋肉の疲労にもつながり、熱ストレスを感じやすい体になると話していて、それによって熱中症になるリスクも高まるとしています。さらに目に紫外線が蓄積することで、白内障など目の病気のリスクも高まるということです。また、サングラス選びのポイントとして「レンズの色ではなく、UVカット機能があること」「紫外線のカット率が99%以上であること」「顔にしっかりフィットして、隙間から紫外線が入らないこと」を挙げています。

<企業・団体で広がる目を守る取り組み サングラスを日常に>

日常的なサングラスの着用はまだまだこれからという状況ですが、徐々に企業や団体などでサングラスの着用を推進する取り組みが始まっています。警視庁は2024年8月からSPや機動隊員の業務中のサングラス着用が可能となりました。また、物流大手の佐川急便は6月1日から「目が見える程度の薄い色のサングラス」などの着用を認めています。さらに日本高野連は2025年から選手のサングラス着用を許可制から申し出制にして、使用しやすくなりました。

眼鏡メーカーも若い世代に向けて目を守る重要性を伝える取り組みを行っています。眼鏡ブランド「Zoff」を展開するインターメスティックは全国の小学校などで目の健康について考える出張授業を行っています。学校現場と協力して若い世代に目を守る大切さを伝えることで、サングラス着用を自然な習慣にすることを目指しているということです。

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