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障害者虐待認定に7年 府中市「職員をパワハラから守るため対応」

福祉・教育 - 2023年6月27日 20時00分
府中市の社会福祉法人で知的障害のある利用者らへの虐待の通報があるにも関わらず市が7年間虐待を認定していなかった件について続報です。TOKYO MXが市に取材したところ「職員へのパワハラもあり、守るための対応だった」と認定の遅れについて説明しました。
複数の関係者によりますと、府中市の社会福祉法人で市職員OBの男性元副理事が、約10年間にわたって、知的障害の利用者らに虐待を繰り返していました。十数回、内部告発や通報があったにも関わらず府中市が7年余りの間、虐待を認定していなかったということです。当時、この障害者施設では元副理事が「利用者を押し倒し、顔を押さえつけた」といった暴行を行っていたほか、「お前の顔なんて見たくもねえ」などの暴言もあったということです。
府中市の担当者は取材に対し、「認定まで時間がかかったことは被害者に申し訳ない」としつつ、「元副理事が施設職員にパワハラをしていたため、職員が『知られたら何をされるか分からない』と怯えていた。パワハラから職員を守るための対応だった」と説明しています。また一方で、社会福祉法人の現在の理事長はきょう(27日)、取材に対し「改善については市の指導に従って進めています。被害者には大変申し訳なく思っている」と話しています。
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府中市の社会福祉法人で起きた虐待について、まずは経緯をまとめます。
虐待や暴行があったのは、府中市で知的障害者作業所などを複数運営している、社会福祉法人、清陽会です。元副理事長が約10年間、利用者や職員に対して繰り返していました。この虐待については、法人清陽会が設置した第三者委員会が去年3月にまとめた報告書で判明しました。府中市の元職員である元副理事長は、利用者に対し、押し倒し顔を押さえつけたり、ビンタするなどの暴行や、「お前の顔なんて見たくもねえ」などの暴言も行っていました。また、元副理事長以外の職員も虐待をしていたということです。そして、この副理事長はほかにも、・規定外の給与の受給、・職員への暴行や暴言、・職員のタイムカードの改ざんもしていたということです。さらにこの清陽会では、過去10年間で、利用者69人への工賃不払いも、1億円以上あったということです。
また、報告書では、元副理事長による   法人の私物化も明らかになっていて、妻と娘が職員として在籍していたことや、自治体の監査前に書類を改ざんなどを指摘されていて、職員からは、「組織として隠ぺい体質が根強い」「事業の収益が何に使われたのか報告が一切なかった」という証言があったということです。
退職後に法人に文書を提出しているんですが、虐待について否定しています。そして、「記憶にない事象での行動がある場合は、深くお詫び申し上げます」などと弁明していて、第三者委員会の面談依頼も拒否したということです。またこの問題では、府中市が最初の虐待通報を受けてから虐待を認定するまで7年もかかっているんですが、
府中市は、元副理事長への恐怖感が職員にあり調査に時間がかかってしまった。また、刑事告訴についても警察へ相談したんですが、物的証拠がないとして、できなかったとしています。市の担当者は、「もっと早い対応が必要だったと思う。利用者には申し訳ない」としています。

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