東京・奥多摩でクマ目撃相次ぐ 過去5年で最多
地域・まち - 2019年8月29日 18時30分
東京・多摩地域でクマの出没が相次いでいます。奥多摩町では、けが人が出る事態になっています。
東京都内でクマの目撃件数が増えています。一番多いのは奥多摩町で、例年は年間20~30件ほど目撃されていますが、今年は4月から8月の間だけですでに43件となり、この5年間で最も多い目撃数となっています。8月18日には奥多摩町にある川苔山で、ワサビの栽培をしていた60代の男性がクマに襲われ、左手の指に大けがをしました。
なぜ、人里までクマが降りてくるようになったのでしょうか。今年、東京は平年に比べ、梅雨の期間が9日間ほど長くなりました。専門家は、梅雨が長かったため、餌となる木の実などが減ったことが原因とみています。東京農工大学の小池伸介准教授は「山中の食べ物が一時的に減ったり雨が多くて果実がならないと、クマは食べ物を探しに行く。カキやクリ、生ごみなどに魅力を感じている」といいます。
小池准教授は、クマは冬眠に備えて食料を確保しようと活発に動くため、冬までは注意が必要だとして、「秋にはカキやクリがなるが、きちんと収穫すること。生ごみを外に置いておくと、クマやサルなどの動物が来て食べてしまうので、生ごみを放置しないように」と呼び掛けています。