きのう(12月3日)未明に津波…島しょ部で最大40センチ
地域・まち - 2023年12月4日 20時10分
深夜の津波注意報に驚いた方も多かったのではないでしょうか。フィリピン付近で発生した地震に伴い、きのう(12月3日)未明、太平洋側の各地で津波が観測されました。
都内でも4つの島で最大40センチの津波が観測され、各自治体が深夜の対応に追われました。
気象庁によりますと、2日夜にフィリピン付近で起きた地震に伴い、日本の太平洋側に津波注意報が出され、各地で津波が観測されました。都内で観測された津波は、伊豆諸島の八丈島で最大40センチ、神津島で20センチ、三宅島と小笠原諸島の父島で10センチでした。都内の各島では注意報を受け、防災無線で海岸付近に近づかないよう呼びかけられ、役場の職員が消防や警察と連携し、海岸を巡回・警備するなど深夜の対応に追われました。
今回は日本では地震の揺れを感じない中で津波が迫ることになりました。さらに発生が深夜という中で、各自治体がどう対応したのか、見ていきましょう。
今回の津波の発生源となった地震は、2日の午後11時37分に起きました。
その19分後の56分に、気象庁が津波注意報を発表したことを受け、八丈島、三宅島や神津島では、津波注意報の発表と共に、全国瞬時警報システム=Jアラートによって、各自治体を経由し、受信機が配布されている島内の住民に向けて、津波注意報が出されたことが伝えられました。その後、自治体が防災無線で住民に再度、注意喚起を行ったほか、職員などが海岸付近を巡回し、警戒にあたったということです。
一方で10センチの津波が観測された小笠原諸島の父島では、Jアラートが通知されたのは自治体のみで、注意報が発表されて、およそ15分後に防災無線で住民に注意喚起を行ったということです。自治体によって対応に違いが生じた理由は、Jアラートを伝達する設定が違うことが挙げられます。警報以上の場合は各住民の受信機にも一律で通知されるんですが、注意報は自治体ごとに任意で通知対象の設定を決められることになっているため、通知が届く範囲に違いが出るということです。
では、数十センチの津波がどれほどの威力なのか、みていきます。
津波のメカニズムを研究する中央大学で、およそ8千リットルの水を使って高さ50センチから60センチの津波を再現してもらいました。
膝ほどの高さの津波だとしても、ロープを必死につかむ体ごと一瞬で波に飲まれてしまいます。
(田中記者)
「まったく何が起きたのかわかりませんでした。水が見えたときには自分自身は倒れていまして、踏ん張るとか耐えるとかの間もなく、流されてしまったという感じでした。津波に遭ってしまったら助かるのは難しいんだなと実感しました」
こちらが津波注意報と津波警報の基準です。今後、津波注意報が出た際は、海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れるようにしてください。
津波注意報が解除されるまで、海に入ったり海岸に近づいたりしないでください。
ここまで津波注意報についてお伝えしました。