日本で唯一“パンダの街”に…揺れる思い 上野も26年2月に返還予定
地域・まち - 2025年7月1日 19時00分
“パンダの街”東京・上野は日本で唯一、パンダに会える街となりました。しかし上野動物園の2頭も2026年2月に返還期限を迎えるため、関係者は複雑な思いを抱えています。
和歌山県で飼育されてきた雌のジャイアントパンダ4頭は6月28日に中国に返還され、国内で飼育されているパンダは上野動物園のシャオシャオとレイレイだけになりました。休園日明けの7月1日も、上野動物園には平日にもかかわらず、パンダを一目見ようと長蛇の列ができていました。しかしその2頭もおよそ8カ月後の2026年2月に返還期限を迎えます。
この日上野動物園を訪れた人からは「中国に行ってしまう前に見ることができて、かわいくてきゅんきゅんした」という声や「和歌山も行ってきたばかり。寂しいから(返還期限が)延びてほしい」「シャオシャオとレイレイの今をとにかく大事にして、たっぷり今を楽しみます」といった声も聞かれました。
一方、50年以上前からパンダと共に歩んできた上野動物園近くの商店街・アメ横商店街の関係者は、パンダが唯一見られる街としての期待感と返還後の悩みが入り交じる複雑な思いを抱えているようです。
アメ横の入り口すぐそばにはパンダを前面に打ち出している店もありました。アメ横商店街でパンダの商品を扱う店の人は「上野動物園でしか見られないのでここに来る人が増えるのかなというのと、見られなくなっちゃうから来たという人もこの前もいて…」と、揺れる思いを語りました。また、2026年2月以降の展望について聞いてみると「まだ全然考えていない。そのままパンダで通すかどうかも悩んでいる」と話していました。
アメ横商店街連合会の千葉速人副会長は「パンダがいなくなること自体、あまり考えていなかった。商店街でイベントもやっていたので、日中友好のためにもゼロというのはなくしたい」と話しています。