台湾有事答弁で日中関係悪化…観光への影響も 日中協議も“回復の兆し”見えず
ビジネス - 2025年11月18日 21時00分
日中関係の悪化が収まりません。11月7日の高市首相の台湾有事に関する国会答弁を巡って、中国で日中両国の外務省の担当局長による協議が18日に行われました。
日本側は事態の沈静化を図りたい考えでしたが、中国外務省によりますと中国側は依然として答弁の撤回を求めたということです。この問題を巡っては、中国政府は日本への渡航自粛を呼びかけ、中国の複数の大手旅行会社が日本への旅行に関連する商品の販売を停止する事態に発展しています。
茂木外相は18日の会見で「日中間には懸案や意見の相違があるからこそ、官民双方で日中間の幅広い分野での重層的な意思疎通を図っていくことが重要だと考える」と述べました。
一方、日本に到着したばかりの中国人からはさまざまな声が聞かれました。出張で来日したという人は「周りでは日本行きのフライトをキャンセルしている友人がたくさんいる。日本政府が示している強い姿勢は行き過ぎだと感じる」とした一方で「一部の日本企業や従業員にとっては、今回の対応が大きな不便を生んでいると思う」とおもんぱかるました。また旅行で来日した人は「政治問題は外交や政治の場で解決すべきもので、私たちのような一般の旅行者にまで影響させるべきではないと思う」と話しました。
こうした中、日本政府観光局は18日、今年=2025年1月から10月までの訪日外国人客数の推計値を発表しました。中国から日本に来た人の数はおよそ820万人で、前年の同じ時期と比べると40%以上増え、国別で韓国を抜いてトップとなりました。
中国からの観光客が増える中での“日中関係の急変”に、宿泊客の1割が中国からの客という都内の有名ホテルの1つ・帝国ホテルの広報担当者は「個人の旅行には動きはないが、中国企業が主催する宴会や宿泊の延期については問い合わせが来た」と話し、事態の沈静化を願っています。