「本の街」ともいわれる東京・千代田区神田神保町の“象徴”が新たな姿で復活しました。建て替え工事を行っていた大型書店の三省堂書店の本店が3月19日に開店し、復活を待ち望んでいた大勢の人たちが開店と同時に続々と訪れました。
およそ4年ぶりにリニューアルオープンとなった三省堂書店・神田神保町本店には早速、多くのファンの姿がありました。開店と同時に店を訪れた人からは「待ち構えていたので本当にうれしい」(50代自営業)、「もうわくわくが止まりません。うれしい」(40代自営業)などと話していました。
三省堂書店は明治14年=1881年に古書店として創業しました。その後、出版や印刷など事業を拡大しながら「本の街」神保町を代表する書店となり、長年愛されてきました。そして2022年、ビルの老朽化などを理由に『いったん、しおりを挟みます』として、神保町本店は建て替え工事に入りました。
迎えたオープン初日のこの日、開店前からおよそ800人が行列を作り、三省堂書店の「新たな1ページ」が始まりました。
三省堂書店の亀井崇雄社長は「あえて書店に来てもらうというのは、偶然的な本との出会いをリアル書店は追求しなければいけない」と語ります。店内には随所に“偶然的な出会い”を楽しむ仕掛けが散りばめられています。
2階には美術系の本が並ぶ向かい側に就職活動対策の本が並び、さらに音楽系の本も並んでいて、お目当ての本以外も自然に目に入る仕組みになっています。レイアウトを工夫してさまざまなジャンルの本を目に見える範囲に配置することで“本との一期一会”を楽しんでもらう狙いです。また、通常の書店とは違い、作者ごとの仕切りがない上に、フロア全体を見渡せる「展望台」も設置されました。訪れた人からは「すごくいいなと思った。絶景というか、本当に本がたくさんあって楽しい」(10代大学生)、「どこに何があるか一瞬分かりづらいが、それも楽しみの一つ」(30代会社員)、「以前の三省堂は各階で専門書が集中していたので自分が好きなジャンルの本などは探しやすかったが、こういう展示の仕方だと自分が興味のない本も目について、手に取る機会がある」(20代大学生)などといった声も聞かれました。
全国の書店数は年々減少を続け、2024年度には1万417件で、10年前と比べるとおよそ3割減少しています。本のデジタル化なども加速し“書店離れ”が進む中、三省堂書店の亀井社長は“まだ見ぬたくさんの本とのリアルな出会い”を届けていきたいと意気込んでいます。亀井社長は「ボタン1クリックで買える、本がすぐ届く時代の中で、読者を1人でも多く増やしていく。そういう戦い方になると思うので、本の魅力を伝えつつ新たな読者を増やしていく。それをイベントや体験を通じてやっていきたい」と語りました。