文房具店に外国人が殺到!そのワケは?【TOKYO LENS】
文化 - 2025年12月5日 20時00分
外国人記者の目線で東京の魅力や課題をお伝えするTOKYO LENSです。
取材したのは、中国出身で日本語・中国語・英語を話す報道部の曹蒙記者です。
今回は、いま外国人が殺到しているという都内の文房具店を取材しました。
中央区・銀座にある文房具専門店「銀座・伊東屋」。1階から8階にわたって幅広い文房具を取り扱うこちらの店は――
曹:「開店直後ですが、多くの外国人客が続々と店の中に入ってきます」
訪れる客の半分以上が外国人だといいます。
曹:「何を買いに来ましたか?」
アルゼンチンから:「画材を探そうと思っているわ。紙や絵の具が欲しいの。クレジットカードが爆発しそうなくらい色々買ってしまいそうね」
アメリカから:「お正月のカード、誕生日カード、クリスマスカードかな。美しいね、とても繊細でエレガントで品質も非常にいいよ」
そして、特に賑わっていたのがペン売り場です。真剣な面持ちで次々にペンを手に取り、試し書きで書き味を確かめます。
曹:「試し書きの紙には、様々な言語で書かれています」
外国人客にペンが人気の理由――それはバリエーションの豊富さです。日本のペンは海外のものに比べてサイズや色が細かく分かれていて、自分に合ったものを見つけやすいといいます。
アメリカから:「兄が建築家だから先っぽが細いペンを使うんだ。0.5ミリや0.7ミリの細めのペン先で、彼に合ったプレゼントを探している」
中国から:「緑一つとってもたくさんの緑があるわ」
曹:「種類が豊富ということですね」
中国から:「そう、青も濃淡が豊かでとても魅力的ね」
一方、自分の国では見ない光景に興味を示す人も――。
スペインから:「いたるところに蛇がたくさんいるのが気になって、どうしてだろうと思っていたわ」
スタンプ売り場には、来年の干支である蛇のデザインのものが多く売られていました。
干支の文化がないというスペインの人にとっては珍しい光景です。
曹:「スペインにも同じような文化はありますか?」
スペインから:「いいえ、年が何かしらの物に関連づくことはないわ。知らない文化を教えてくれてありがとう」
また、文房具の品質やバリエーションだけではなく、店内で過ごす時間自体も外国人客を魅了しています。
フィリピンから来たこちらの女性は――
曹:「この文房具店にはどのくらいいますか?」
フィリピンから:「午後2時からいるわ」
曹:「ということは、もう2時間ですね」
ノートを装飾するのが趣味で、日本のマスキングテープやスタンプなどを買いに来たということです。
フィリピンから:「ここはまるで『夢のお城』のようね。全てが美しくてカラフルで、子ども心をくすぐる場所よ」
最終的に紙袋2つ分の量の文房具を購入することに。
その合計金額は――9万8000円。
曹:「9万8000円!」
フィリピンから:「結構な金額になりましたね」
曹:「9万8000円で幸せを買えたわ!」
曹:「文房具店が単に日用品を売るお店ではなく、中で過ごす時間も楽しめるアミューズメントパークのような空間になっていました」
(2024年11月8日「おはリナ!」より)