世田谷ボロ市 「代官餅」300円値上げも4時間待ちの大にぎわい 物価高の影響は…?
文化 - 2025年12月15日 21時00分
400年以上前から続き、1日でおよそ20万人が訪れるとされている、東京・世田谷区の「世田谷ボロ市」が12月15日から開かれています。会場は平日の昼間にもかかわらず、道を埋め尽くすほど多くの人でにぎわっています。
東京都の無形民俗文化財にも指定されている「世田谷ボロ市」には、今年は骨董(こっとう)品や革製品、古着などを扱う600店以上が出店しました。
多くの掘り出し物が並ぶ中、ひときわ人気を集めたのが、ボロ市名物の「代官餅」です。つきたての餅にあんこや大根おろしを乗せた代官餅は最大4時間待ちの列となる中、今年は物価高の影響でもち米が2倍の価格となり、去年の1000円から1300円へと値上げされました。それでもここでしか味わえない味を求め、例年通りのにぎわいとなりました。来場者は「こんな並ぶと思わなかった。ちょうど2時間ぐらい並んだ。この後(待ち時間が)3時間とか4時間になるから、もう買えないよみたいなことを言われた」「毎年来ている。価格がだいぶ上がったが、その価値はある。とにかくお餅が普通のお餅じゃない」などと笑顔を見せました。
続く物価高の中、靴などを販売している店では仲介業者を減らし直接仕入れることで、ボロ市では通常よりも低価格で販売しているということです。店の人は「本来は1万6000円の靴。きょうは2000円」と話し「さっき年配の夫婦が4足買ってくれた」と話していました。
また、50年以上続く木工品などの販売店では、物価高の影響を受けつつも価格転嫁をせずに営業努力に励んでいました。店の人は「値段は上げずにうちは昔からこの値段。利益は出ないので商売的には面白くないが、毎年来てくれるお客さまがいるので、うちは値段を上げずにこのまま。原木や木は(価格が)上がるが、なんとか頑張ってこの値段でやれるようにしている」と話しました。
ボロ市は12月16日と1月15日・16日にも開催されます。