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海外に広がる「あんこ」「ある業界」が更なる普及突破口に

文化 - 2025年7月27日 08時00分
外国人記者の視点で日本の魅力や課題をお伝えするTOKYO LENSです。取材したのは中国出身で日本語、中国語、英語を話す報道部の曹蒙記者です。きょうのテーマは「あんこ」です。

和菓子に欠かせない「あんこ」の魅力が近年、海外にも広がっています。さらに、ある業界での注目の高まりをきっかけに海外への販路拡大の可能性が見えてきました。

あんこ…小豆などを煮詰めて練ったペースト状のもので中国から伝わってきた食べ物の中に詰める具材「餡」が日本で独自に進化したものだといわれています。板橋区で60年以上続く製餡所「キノアン」一番のこだわりは食感です。なめらかな舌触りを追求するため、粒あん作りでは2時間、こしあんでは7時間もの時間をかけて小豆をゆでるといいます。実際にゆでた直後の小豆を食べてみると…
曹:「全然ざらつき感がなくて、なめらかでおいしいです」

また、こしあんに含まれる小豆の皮の部分もざらつきにつながるため極力使わないようにしています。

職人:「どう考えるかなんです、美味しいものを作るか、これをあんこにして原価を(下げるか)皆さんが美味しいと言っていただければいいと思っているので、それ以上の欲はないですかね」

まんじゅう、羊羹、たい焼きなど和菓子に無くてはならない存在である「あんこ」街で外国人にその印象を聞いてみると…

Q:「あんこという小豆のペーストを知ってますか」
ドイツから:「聞いたことないですね、見たこともないです」
オランダから:「食べたことはありますが、あまり好みではなかったです。甘すぎるのと、乾いた感じがちょっと…」

あんこの普及を目指す日本あんこ協会のにしいさんは文化の違いを指摘します。
にしいさん:「海外の方で、特に欧米の方々は豆が甘いというのが信じられない。お菓子作りに関しても全く考え方が違う」

一方、こう指摘した上で近年の変化についても話してくれました。
「日本のあんこは新しい価値を見出して、非常に人気が出てきている」

今回、取材中にこんな外国人に出会いました。
Q:「何を買ったんですか」
インドから:「どら焼きを買いました。昨日初めて食べて気に入ったのできょうもまた買いに来ました。風味豊かでねっとりしていて、他の食べ物にはない独特の味ですね」
イタリアから:「子どものころにテレビでドラえもんを見ていて、日本でどら焼きの味を試してみたかったんです。甘い豆が入っているんですよね」

外国人に少しずつ広がるあんこの魅力。にしいさんは「ある業界」があんこの更なる普及の突破口になるのではないかと話します。

会長:「スポーツをされる方に向けたあんこの普及っていうのは世界的にも十分広めていける。味も美味しいんだけれども、健康面体づくり面からしてこのあんこ文化は世界に貢献することができるのではないか」

脂質が低い反面、糖質・タンパク質を多く含むことから体づくりに適していると、近年外国人からも注目されているといいます。都内にある企業がスポーツに特化したあんこ商品を開発していました。

店の人:「こちらが飲むあんこです」
曹:「食べるのではなく、飲むんですね」

飲むあんことは…あんこをドリンク状にしてパウチに詰めたものです。手軽に素早くエネルギー補給ができることからアスリートを中心に人気だといいます。

さらに、飲むあんこは頭脳スポーツの世界にも広がっています。
台湾出身の囲碁の棋士、林さんは対局中にあんこを飲んでいるといいます。
棋士:「対局中は昼休憩が今ないんですね。なので対局中にエネルギーチャージを。結構腹持ちもいいですし、後半でも力が出るようになりました」

優秀な栄養価が注目される日本のあんこ。世界がその魅力に気付き始めています。

(2025年4月11日放送「おはリナ!」より)

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