外国人に人気「クレーンゲーム」の魅力とは?【TOKYO LENS】
文化 - 2025年12月21日 20時00分
外国人記者の視点で東京の魅力や課題をお伝えするTOKYO LENSです。取材したのは中国出身で中国語・日本語・英語を話す報道部の曹蒙記者です。今日取り上げるのは「クレーンゲーム」です。
クレーンゲームに熱中する外国人たち。その魅力について聞いてみると、こんな声が聞かれました。
アメリカから:「ただ買うんじゃなくて、ゲームとして遊んでいるから。『取ろうとする体験』そのものが楽しいんだと思う」
ドイツから:「ドイツにはこのようなものはあまりありません。通りかかると、やらずにはいられませんね」
200台以上のクレーンゲームが設置されている秋葉原駅前のゲームセンターでは、外国人の客が全体のおよそ8割を占めます。
曹:「押すボタンが少なく、さらに動き方は一目でわかります。この直感的に楽しめるところが、海外の人が気軽に楽しめる理由かもしれません」
アメリカから来たこちらの男女は、ここ二日間、ほとんどの時間をクレーンゲームで遊んで過ごしているといいます。
「お願い」
「惜しい」
たまらず協力体制を強化し、今度は男性が横から見ながら指示を出すことに。奥行きをより正確に把握できるようにしました。そして、見事4回目の挑戦で、ぬいぐるみを獲得しました。
アメリカから:「景品がかわいくて好き、とにかく楽しい」「日本にいる間はずっとクレーンゲームで遊ぶつもりです」
一方で、多く訪れる外国人客に対し、店の人も目を配っています。
従業員:「お手伝いしましょうか?」「上か横を押したらいいですよ」
実はこの時、外国人客が狙っていた景品を取ろうとすると、アームが隣の景品に引っ掛かってしまい、このままでは取るのが難しい状況だったといいます。
従業員:「もっと自分で頑張んなくちゃいけないのかなっていう雰囲気だったんですけど、そうなっちゃうとお客様としては無駄なじゃないですけど、そのまま狙ってもすごい大変」
「取っていただいて、喜んでいただいて、また来てもらう。何よりもそれが一番ですね」
従業員のおもてなしの精神も、外国人を魅了する理由の一つです。こうしたインバウンド需要の拡大などを受け、クレーンゲームの国内の市場規模は増加傾向にあります。2013年には1900億円ほどでしたが、10年で倍近くに増え、おととしには過去最高となるおよそ3600億円を記録しました。
日本で初めてクレーンゲームが登場したのは、今から60年前。当初は上から覗いてクレーンを動かす仕様でした。時代とともにサイズや演出面にメーカーの工夫が凝らされてきましたが、シンプルな操作方法には今もこだわっています。
タイトー・二宮さん:「プレイされるお客様がどんどん増えていく一方で、ちょっとプレイするのが難しいなと言われるお客様も一定数おられます。そういったお客様にも、自分もプレイしてみたいと思っていただけるような分かりやすいゲーム、そういったものを作りたい」
そして、そんな日本のクレーンゲームに魅了された海外のインフルエンサーがいます。アメリカ出身のユーチューバー、「Plush Time Wins」。世界中のクレーンゲームを巡ってプレイする動画を投稿していて、チャンネル登録者数は180万人を超えています。
「今まで本当にたくさんのお金を使ってきたけど、それだけの価値はあります」
実際にプレイする様子を見せてもらうと、高速でハンドルを動かし、小刻みにアームを揺らしていました。
「持ち上げた瞬間に揺れの反動で落とせるように、揺らすことを意識しているよ」
そして景品をつかんだ後は、勝利を確信した余裕の表情。世界を知る彼らが語る、日本のクレーンゲームの魅力とは...
ユーチューバー:「日本のクレーンゲームは、とにかく景品の種類が多くて、しかも入れ替わりがすごく早い。間違いなく、クレーンゲームが最も面白い国の一つです」
(2025年12月17日放送「Wake Up 7」より)