都バスで「置き去り防止」へ…確認ボタン設置 26年6月末までに全車両設置へ
都営バスで相次ぐ乗客の置き去りを防ぐため、新たなシステムを導入することになりました。乗務員がバス車内に客がいないことを確認しつつ、車内後方に新たに設置される「確認ボタン」を押すということです。 都営バスでは今年=2025年4月以降だけで子どもを含めた乗客の置き去りが3件起きていて、いずれも運転手が点検を怠っていたことが原因となっています。これを受け、東京都交通局が再発防止に向けて都営バスに導入したのが、自動音声で車内点検を徹底させるシステムです。 バスが終点に到着すると、車内点検を促す自動音声が流れ、車内の一番後ろに設置されたボタンを押すまで音声が止まらない仕組みとなっています。東京都交通局の担当者は「(このシステムは)乗務員が確実に車内最後部まで車内点検を行える効果がある。確実な車内点検を実施していく」として、運転手が車内全体を移動することで置き去りがないか確実に点検することができると強調します。 また、車内には終点に到着した時に寝ている乗客を見つけたら運転手に知らせるよう乗客に協力を求めるステッカーも張っていくということです。 東京都交通局は確認ボタンを順次導入していき、2026年6月末までに都営バスの全車両およそ1450台への設置を目指すということです。 <乗客置き去り 4月以降だけで3件発生> 都営バスにおける乗客の置き去りは2025年度に入ってからだけで3回発生しています。 4月には後部座席で寝ていた9歳の女の子がバス営業所でおよそ30分間置き去りになりました。翌5月には10歳前後の女の子がおよそ8分間、さらに6月には酔って寝てしまった20代の男性が車庫内で1時間15分ほど置き去りになっていて、運転手がトイレに行きたかったなどの理由で終点の車内点検を怠ったことが原因となっています。これらを受け、都営バスは「車内点検の徹底」を掲げていて、その取り組みの一環として今回、確認ボタンが設置されることになりました。 「確認ボタン」は2022年に静岡県で起きた送迎バスでの園児の死亡事故を受けて開発された、エンジン停止でブザー音が鳴る装置をベースに、今回の都営バスのシステムが作られたということです。
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