23区に「大雪警報」 各所で混乱
気象庁はさきほど(5日午後7時半ごろ)、東京23区の一部に大雪警報を発表しました。 23区に大雪警報が出たのは去年の2月10日以来です。 それでは現在の都内各地の雪の状況をみていきます。 きょう(5日)都内では雪が降り続き、都心では2年ぶりの積雪となりました。 午前8時・・東京駅前はこの時期としては少し高い5.1度を記録。 ただ、出勤を急ぐ人たちは、厚手のコートのなかにセーターを着込むなど、雪を警戒した装いでした。 午前11時・・ 気温は5.7度と上昇を続ける中、気象庁は国土交通省との緊急の会見を開き、警戒を呼び掛けました。 (気象庁 杵渕 健一 予報官) 「東京都23区でも注意報級の大雪を見込んでいます。」 ピークはきょう(5日)夕方から夜遅くになるとして、「可能な限り早い時間に、帰宅など移動を終わらせてほしい」と強調しました。 そして午後になり、雨が雪に変わった都内。 気温もグッと下がり、街は雪化粧へとその姿を変えていきました。 (梅村記者) 「こちらの自動車用品店では、本格的に降り始めた雪への対策として、タイヤを交換する人が増えており、スタッフは対応に追われています。」 江東区の自動車用品店では、大雪の予報が出てから、自家用車のタイヤをスタッドレスタイヤに替えに来る人が急増しています。 (A PIT オートバックス東雲 小笠原亮 さん) 「関東のエリアのオートバックスの店舗では先週に比較して今週のお客様の動向なんですけども、スタッドレスタイヤでは2.5倍ほど販売が伸びています」 「スタッドレスタイヤの装着をしっかり行っていただいて、雪への備えを万全にしていただきたい」 また、積雪への備えとして、簡単に取り付けられるタイヤチェーンも、きょう(5日)一日で普段の10倍以上売れているということです。 (利用客) 「危ないっていうのと、事故になっちゃうと仕事にならないので、付けておこうかなと」 午後3時、都心の最低気温は0.9度 平年よりも8度以上低い厳しい冷え込みに・・ (中島記者) 「午後3時過ぎの八王子駅前です。街頭の温度計は0度をさしており花壇には雪がつもって白色に染めています」 転ばないように傘を杖代わりにするなど、慎重な歩みをすすめる人の姿がありました。 (八王子に来た日野市民) 「長靴をはいてきたけど普通の長靴だから危ない傘を杖にして用心して行っている。(雪に)みんな迷惑しているんじゃないかな」 (梅村記者) 「首都高も通行止めとなりました」 高速道路も大雪を警戒し通行止めになる事態となりました。 また空の便にも大きな影響が・・ (牧田記者) 「羽田空港の掲示板には欠航便が書かれていて、運行状況を確認する人がいます」 全日空と日本航空は、午後に羽田空港を発着する便を中心に100便以上で欠航となりました。 (山口県からの旅行客) 「午後5時40分の山口宇部に帰ろうとしたんですけど、帰れなくなってしまって、もしそれを欠航となるならちょっと厳しい」 (北海道からの旅行客) 「東京旅行は楽しめたが帰りがすごく心配。飛ばなかったら、今日の分の宿も取らなきゃいけないしで、すごく心配」 雪により混乱が生じた都内・・ 街からも過去の教訓から、大雪へ警戒する声が出ていました。 (八王子市民) 「5年ぐらい前でしたよね大雪ですごかったですよ。踏むのが大変だった歩くのに」 (八王子市民) 「2018年の雪がすごくて、商店街のアーケードが落ちたり、近くの駐車場の屋根が壊れたりあった。(自宅が)坂の上の方なんですけれど、結構主人がすべって転んだりとかあったので、ちょっと怖いですね」 2018年、大雪警報が出された都内・・ 鉄道は運休や大幅な遅れ・・駅への入場規制もしかれるなど混乱に・・ 雪に足をとられ滑って転ぶけが人も多く出ました。車のスリップ事故も多発しました。 おととし1月も23区に大雪警報が出され、雪や路面凍結の影響で、500人以上が病院に搬送されました。 そしてきょう(5日)午後4時27分・・大きな混乱を生んだ2018年やおととしと同様に、都内に大雪警報が出されました。 その後、雪は刻々と、その勢いを増し都内一面を白銀世界へと変えていきました。 まずは空の便です。 日本航空では羽田発着の63便を含む67便が欠航し、およそ7190人に影響が出ています。 また全日空では、羽田発着の36便が欠航し、およそ4370人に影響が出ています。 続いて高速道路です。 東名高速道路や中央自動車道、関越自動車道や東京外環自動車道などの一部区間で通行止めを実施しています。 今後もさらに影響が広がる可能性がありますので、やむを得ず外出する際は最新の交通情報を確認してお出かけください。 ではここからは気象予報士の敷波さんに解説をしていただきます。 都内は南岸低気圧の影響で、午後から広い範囲で雪が降り出しました。 今まさに雪のピークとなっています。 現在の半蔵門は雪が道路にも雪が積もっているなど、よくわかりますね。 都心の気温は0.4℃で、昼過ぎより雪が積もりやすい状況になっています。 午後5時に都心で積雪を観測し、8時現在、6センチとなっています。 では、このあと午後9時からの予想を見ていきましょう。 ・低気圧が近いのでこの後も強まりそうです。ただ、日付が変わるころには止んでピークは過ぎる。 ・ただ、一旦止んでもあす朝から再び雪雲や雨雲がかかりそうで、範囲が広がりそう。 ・お昼ごろには次第に雪が雨に変わってくる予想です。 ですので今夜いっぱい、大雪に警戒してください。 現在、世田谷区、杉並区、練馬区、多摩地域全域で大雪警報が出ています。 また、そのほかの地域もも大雪注意報が発表中です。 あす(6日)夕方までに予想される降雪量は多摩西部で15センチ、多摩北部・南部で10センチ、23区は8センチとなっています。 このあとも積雪が増える所があり、あす(6日)朝も雪は残っていると思われます。 また、沿岸部など積もらなくても、気温が低いので路面が凍結してる恐れがあります。 これまで都内では、雪が降った翌日に、路面凍結が原因とみられる事故が多く起きています。 ノーマルタイヤが、いかに雪道に適していないかを検証した実験映像があります。 時速40キロでブレーキをかけ、完全に停止するまでの距離を図る実験で、雪が踏み固められた状態の圧雪路では、ノーマルタイヤでは29.9メートル。スタッドレスタイヤや、オールシーズンタイヤと比べて、大きな差が出ています。 一方で、ノーマルタイヤに非金属タイプのチェーンを付けたものとは、圧雪路では、ほぼ変わりませんでした。 続いて、凍結した路面での実験です。 ノーマルタイヤでは、ブレーキを踏んでから完全に停止するまでの距離は、105.4メートルもかかりました。 他のタイプと比べてみると、チェーンを付けた場合と、倍近い差が出ています。 ノーマルタイヤで雪道を走行するのが、いかに無謀かということが改めて分かったと思いますが、スタッドレスタイヤでも凍結した路面では、停まるまでの距離は長くなるので、過信はしないようにしてください。 車での移動を予定している人もいると思いますが… あす(6日)の運転は極力控えてください。
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