「政治家の定年制」の是非 外国人はどう見る?
日本のニュースや課題を海外の人たちはどのように見るのか。中国出身の報道部・曹蒙記者が世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。今回取材したテーマは「政治家の定年制」です。 自民党内で唯一の派閥を率いる麻生太郎副総裁。今月20日で85歳を迎えました。総裁選の候補者が相次いで麻生氏を訪れる、いわゆる「麻生詣で」が続くなど依然として大きな影響力を誇っています。こうしたなか「政治家の定年制」についてどう思うのか、東京を訪れる外国人に聞いてきました。 曹:「きょうは新宿駅前で『政治家の定年制』について外国人はどう思うのかを聞いてみます」 Q:政治家に定年制を設けることについてどう思う? イタリアから:「制限を設けるべきだと思います」 ドイツから:「私が政治家にも上限を設けるべきだと思います」 ポーランドから:「あった方がいいと思います」 多くの国の人が定年制を設けるべきだと話してくれました。その理由については… イタリアから:「高齢になるとしっかり考えられなくなるから」 ドイツから:「年をとると判断力や健康にも問題が出ます」 高齢による判断力の低下や健康問題についての声のほか… イタリアから:「高齢の政治家はしばしば古い考えに固執しているから」「国には変化が必要です、人が変わり考えが変わることで進歩につながります」 オーストリアから:「大きな変化を望むなら若者の関与が必要です、高齢者は従来のやり方を好むので、変化を起こすために若い人も入れるべきだと思います」 新しいアイデアや若者のための政策が生まれにくいという懸念の声もあがりました。 一方で、政治家全体の年齢のバランスが保てていれば問題ないという意見も… ブラジルから:「若者が入って革新することが必要ですが、同時に年長者の知恵も尊重する必要があります」「高齢者ばかりでなければいいと思います、若者の新しい発想が必要で両者が一緒に働くべきです、『バランス』が大事です」 政治家の定年制度を設けるべきと答える人が多い一方で、自国の状況について聞いてみると… Q:あなたの国では政治家に定年制はありますか? ポーランドから:「ありません」 Q:政治家は何歳で引退すべきだと思いますか? ポーランドから:「一般的な定年と同じくらいにすべきだと思います」「あるいは試験のようなものを導入してもいいかもしれません、脳機能や思考力、反応の速さなどを測る検査です、それも考慮に入れるべきです」 イタリアから:「イタリアやスペインなどでは制限がないため、90歳の政治家もいます。任期を終えても『終身政治家』のように発言を続け、亡くなるまで影響力を持ちます」「彼らは権力を握ると手放したくないので、できるだけ長く居座ろうとします、国を助けるよりも自分がポジションに残ることにエネルギーを注いでしまいます」 ドイツから:「ドイツでも政治家に年齢制限はありません」「ドイツでは大統領に40歳の最低年齢制限があります、最低年齢があるなら最高年齢も設けるべきです」 一方、年齢の制限はないものの、多選の制限がある国は多いようです。 ブラジルから:「一生ずっと政治家でいることはできません、連続数期までといった『多選の制限』があります」 アメリカから:「憲法で大統領は2期8年までと決められています」 アメリカから:「任期制を導入しても、数年ごとに選挙で再選され続ければ、結局その場に居続けて“政治家を職業する”こともできてしまいます。つまり、強固な支持基盤がある地域では、人々に人気がある議員は再選され続け、考え方は変わらず、新しい発想や新しいアイデアが入り込む余地がなくなってしまうのです」 (2025年9月25日放送「おはリナ!」より)
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