高齢ドライバー免許更新 講習で「慎重な運転を」

(福祉・教育 - 2025年04月21日 19時00分)

東京・豊島区東池袋の路上で高齢者の運転する車が暴走し、親子2人が死亡した事故の発生から6年がたちました。東京都内で発生した高齢ドライバーによる運転事故は、新型コロナの流行による外出自粛などで一時期、若干減少しましたが、近年は再び増加し始め、2023年データでは年間5000件近くになっています。高齢ドライバーによる事故を防ぐためにも、国が義務付けているのが、70歳以上を対象に行われる「高齢者講習」の実施です。一定の違反歴がない75歳以上は講習の前に認知機能検査に合格する必要があり、仮に不合格となった場合、医師による検査で認知症と診断されると、免許が取り消される恐れもあります。 今回、都内の教習所で高齢者講習の様子を取材しました。この日、東京・武蔵野市の教習所に免許の更新に訪れたのは8人の高齢ドライバーです。 受講者は「1人暮らしなので、買い物とか。基本的に自転車は使わない。スーパーマーケットに車で行っている」「(運転は)毎日に近い。(車がどういう時に必要かといえば)やっぱり重たいものですよね。車なしで買い物もするが、ジュースやコメは結構重たい」などと話していました。 暮らしに欠かせないという車の運転を続けるためには免許の更新が必要ですが、75歳以上の高齢ドライバーの場合、まず高齢者講習を受けられるか調べるため、認知機能の検査が行われます。認知機能検査では、例えば「刀・アコーディオン・足・テレビ」(問題例)といったもののイラストを受検者は覚え、解答用紙に何が描かれていたか記入していきます。この他にも「きょうの日付や曜日を答えられるか」といった問題も出されます。受講者からは「結構覚えられない。覚えていたと思っていたが、やってみると分からなくなる」といった声も聞かれました。 採点は30分ほどで行われます。この日の受講者は全員合格で、無事、高齢者講習を受けられることになりました。 視力検査では視界の中で動くものの見落としや、状況の変化への反応速度を確かめます。そして、次に行われるのが実車での指導です。信号や横断歩道の対応など基本的な安全運転ができているかどうかを確認していきます。当初は安定した運転を見せていた高齢ドライバーたちでしたが、一時停止となると緊張のせいか手前で止まってしまったり、車線を大きくはみ出しながら一時停止を忘れてそのまま左折しようとする場面もみられ、慎重な運転の一方で判断に迷う場面も見受けられました。受講者の1人は「久々に緊張した。(難しかったところは)一時停止のところ。停止線で止まったつもりだったが、ちょっと越えていた。停止線や止まる位置は注意を言われるので、そこは気を付けて。普段から気を付けてはいるが、停止線で止まるということ」と話しました。 今回の講習を通じて、改めて慎重な運転の大切さを感じたという受講者たちに、今後の運転について聞いてみると「(何歳ぐらいまで乗りたいかと問われ)80歳まで。あと2年だね。土日はほとんど息子に頼んでいるので、もう土日は必要ない。あとは買い物をどうするかが問題だが、それさえ克服すれば大丈夫だと思う」と話す人や「体が動くうちは必要だと思う。あと何年か分からないが。でも、さっきもテレビで『80歳が運転ミスで事故を起こした』と聞いたので、どこかで(免許返納を)考えないといけないですよね」と話す人など、さまざまでした。

https://s.mxtv.jp/mxnews/amp/mxnews_46513120.html

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