<東京デフリンピック>陸上エースが父として挑む初の大会 山田真樹選手
11月15日に開幕する聴覚に障害がある人のための国際スポーツ大会「東京デフリンピック」について、注目選手の情報をお伝えしています。今回は3大会連続で出場する陸上の山田真樹選手(28)です。今大会4種目に挑む“日本のエース”は、父親として迎える初めてのデフリンピックになります。 軽やかにトラックを走り抜け、ゴール直後、カメラに向かって笑顔を見せてくれたのは、デフ陸上の山田真樹選手です。長い手足を生かした推進力のあるストライド走法が強みです。この強みを生かした走りで2017年のサムスンデフリンピック(トルコ)では200メートルと4×100メートルリレーで金メダル、400メートルで銀メダルを獲得しました。また、200メートルと400メートルでデフの日本記録を持つなど、3大会連続出場となる今大会でも活躍が期待されています。 大会が近づく中、調子を聞いてみると、山田選手は「今になって新しい練習や取り組みを何か取り入れるというのはもう間に合わないので、今、自分ができることはこれまでやってきた練習の内容を改めて復習すること。プラス、繊細さ・細かいところに磨きをかけていくこと」と語りました。 そんな山田選手は今回は“父”として臨む初めてのデフリンピックになります。山田選手は以前の取材で「実は7月1日に子どもが生まれたんです。なので、今回の大会は『パパアスリート』として挑むことになります。だからこそ、金メダルは大切な価値のあるものになる」と話し、自宅では娘を溺愛するパパの表情を見せています。 今回「生活リズムもだいぶ変わったのでは?」と尋ねてみると、山田選手は「パパとして一緒に育児を頑張ろうと思い実際やってみたが、環境が変わると僕も体がちょっと弱くなるところがあって。今回は特別な大会ということで、やはりアスリート生活を優先しなければならないと思って、今は育児負担は減らしてもらっている」と話しました。 山田選手を一番近くで見守り続けてきた妻・鮎美さんは「周りからの期待やプレッシャーなど、恐らく彼が抱えているものは私には想像できないぐらい大きなもの。私にできるのは応援することだけ。信じて応援するしかないと思っています」と語ります。 また鮎美さんは少しでも夫の力になればと、自らデザインした応援Tシャツも製作しました。鮎美さんが「競技場のトラックからも私たちがどこにいるかすぐ分かると思って…」と話すと、山田選手は「(最初聞いた時)えー!まじか、うれしい(と思った)。妻だけでなく、僕の家族も妻の家族もみんな一緒に着るんです。ここにいっぱいあるんです」と笑顔を見せました。20着ほど作ったという応援Tシャツは、今年生まれた娘も着て応援するということです。 山田選手は「これまでは自分のためのメダルと思っていた。でも今は自分のためではないんです。家族のためでもあるし、娘のためにも頑張らなきゃいけない。出場する以上はやはり“かっこいいパパ”としていたいなと思っています」と話しています。 <デフ陸上 会場は駒沢オリンピック公園> デフ陸上ではスタートを知らせる方法が「音」ではなく、選手の足元などに設置される「スタートランプ」を使用します。実業団に所属する選手などは“聞こえる人”と同じ競技会に出場することもありますが、スタートランプは選手の目線上に設置され、ピストルの音と連動して発光するため、スタートを切るタイミングが遅れることなくレースを走ることができます。 山田選手は個人では200メートルと400メートルに、リレー競技として4×100メートルと4×400メートルに出場する予定です。特に4×400メートルリレーは陸上競技のトリを飾り特に盛り上がる競技のため、山田選手も「ぜひ会場で観戦してほしい」と話していました。 会場は全て世田谷区にある駒沢オリンピック公園で、無料で観戦できます。ぜひ現地での応援をお願いします。 (※動画内の2次元コードは「番組放送中のみ」の機能です。ご了承ください。)
続きを読む