都 卵子凍結の助成規模 今年度10倍に/Tokyo: Subsidy scale for egg freezing increased 10 times this year.

(都政 - 2024年04月03日 20時30分)

将来の妊娠に備えて、卵子を凍結保存しておく「卵子凍結」の現状についてお伝えします。 東京都は今年度、「卵子凍結」にかかる費用の助成規模を昨年度の10倍に拡充させました。 凍結の希望者からは歓迎の声が聞かれますが、それでもなお高額となる医療費の負担は大きいようです。 (ON・診察3秒) この日、卵子凍結の検査を行うために都内のクリニックを訪れたのは… 「こんにちはえっちゃんです」 日常生活の動画などを投稿するユーチューバー「えっちゃん」さんです。 動画投稿の仕事が忙しいことや、現在、パートナーがいないことを踏まえて卵子凍結を決めました。 (ユーチューバ― えっちゃん さん) 「将来の事を考えた時に選択肢を減らさないように卵子凍結をしてみようと思った」 自身のユーチューブで、卵子凍結についても発信していて、同世代からの関心の高まりを感じているといいます。 (ユーチューバ― えっちゃん さん) 「動画をあげてから話を聞きたいとか、視聴者で同じ年齢で仕事が忙しくてとか、パートナーがいないとか、すごくためになったし悩んでいたから、検討するきっかけになったというコメントはもらっている」 卵子凍結に対して東京都は昨年度、1人あたり最大30万円の助成をはじめました。 当初、対象をおよそ200人と想定していましたが、先月28日までの申請が1468件と想定の7倍以上だったということです。 こちらのクリニックでも希望者が過去最多ペースで増加しています。 (はらメディカルクリニック 宮崎 薫理事長) 「2023年は1年で487件卵子凍結やっていたが、2024年はこの3カ月で、既に168件ともう昨年に比べるとペースが早いというか、ニーズの高まりを感じています。」 希望者が多い現状を受け、東京都は今年度、費用の助成規模を昨年度の10倍に拡充させました。 (はらメディカルクリニック 宮崎 薫理事長) 「未受精卵凍結のアクセス促進にもつながるし、20万円の助成金決定したのは評価できる事だと思う」 歓迎の声があがる一方、課題は助成の金額です。 卵子凍結の費用は30万円から50万円ほどと見込まれる中、都の助成金額は昨年度と変わらず、1人あたり最大30万円のままです。 凍結を希望するえっちゃんさんは、助成を受けても負担が大きいと話します。 (ユーチューバ― えっちゃん さん) 「色んな理由があると思うが仕事頑張りたい方多いと思うので、いったん自費で払えると思ってやってるとは思う。私もその気持ちだったが思った以上に費用がかかるので、かなり想像よりも出費だなと思 いますが、人生の選択肢を増やすという大きなメリットがあるから、払う価値はあるかなと思いつつ、やっぱり痛いと思う」 クリニックによりますと、都が助成金について公表してから、卵子凍結への関心が高まっているようだということです。 実際に、卵子凍結に関する情報や助成金情報を発信するサイト「スリー」では、助成金が始まってからアクセス数が11倍~12倍に増加したということです。 クリニックの医師は「今は共働きが当たり前になり、晩婚化は進む。卵子凍結は一つの手段になるが、女性が社会進出する中生殖医療の知識や性教育のあり方も見直すべきでは」と指摘しています。

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