台風被害の被災地に雨 土砂災害に再び警戒を

(地域・まち - 2019年10月18日 18時30分)

 台風19号が関東地方を直撃し、10月18日で7日目を迎えました。土砂災害などの影響で、町内の7割以上の世帯が断水している東京・奥多摩町の被災地では、復旧作業が進められています。  気象庁によりますと、19日午後6時までの24時間に、多摩を含む東京地方の多いところで100ミリのまとまった雨が降る恐れがあります。この影響で、台風19号で記録的な雨が降った地域では、再び土砂崩れが起きる危険があります。生活道路が崩落して一部の集落が孤立している奥多摩町では、住民から不安の声が聞かれました。  土砂災害があった被災地に、今後まとまった雨が降る可能性があり、被害の拡大も懸念されます。十分な警戒が必要です。 <水は引いたが…新たな問題も 東京・大田区>  台風による大雨などの影響で河川が氾濫し浸水被害があった東京・大田区では、台風から1週間がたった今も、住民は後片付けに追われています。現在、水は引いたものの、新たな問題が出ています。  台風19号による大雨は、都内の景色を一変させました。大田区田園調布の住宅街は、台風直後は完全に水につかり、入り込んだ水は翌日の夕方まで引きませんでした。今は水は引いたものの、1週間がたち、住民の間では雑菌などの繁殖が不安視されています。近くの保育園も園内に水が入り込んだ影響で除菌が間に合わず、一部の施設が使えないままです。  大規模な浸水被害が出た大田区内で、浸水被害を防ぐための排水ポンプが10時間にわたって稼働できなかったことが分かりました。  大田区によりますと、台風の接近に伴って12日午後5時ごろからポンプ車などで排水していましたが、午後7時に大田区に避難指示が出て職員を避難させたため、排水作業ができなくなったということです。大田区の松原区長は18日の会見で「今回の浸水がどうして起きたのか、原因究明したい」と述べました。 <世田谷区では「土のう不足」も>  世田谷区では氾濫に備えて区が用意した土のうが不足していたことが分かりました。  区によりますと、土のうは事前に1万5000個用意されていましたが、区民が自由に使える「土のう置き場」から既に多くが持ち出されていました。このため、予備の分なども集めましたが、氾濫の可能性がある地点に十分な土のうを置くことができなかったということです。  世田谷区は対応に問題があったとして、今後、検証を進める方針です。

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