「弁当」が外国人に人気!「詰める」体験も・・・

(文化 - 2025年09月21日 17時00分)

日本の魅力を外国人記者の視点でお伝えするTOKYO LENSです。取材したのは中国出身で中国語、日本語、英語を話す報道部の曹蒙記者です。きょう取り上げるのは「弁当」です。 学校や職場に持って行ったり、移動の際に食べたりと私たちに馴染みの深い「弁当」は日本独自の文化なんです。その弁当がいま、日本だけにとどまらず外国人でも人気となっています。 今週月曜、渋谷区にあるスーパーを訪れると… 曹蒙:「こちらのスーパーの弁当売り場には、海外の方も多く訪れています」 およそ120種類の弁当を求めて訪れる客は、近くにある日本語学校の生徒やインバウンド客など、多い時でおよそ半分が外国人です。一体どのような弁当が人気なんでしょうか。 Q:どんな弁当を買った? ブラジルから:「ご飯とチキンの弁当です。おいしくて、安いから、本当に気に入っています。とてもバランスが取れていると思います。たんぱく質も炭水化物も十分に入っていて、私には完璧です」 Q:どんな弁当が好きですか? ドイツから:「ご飯とお肉が好きですが、色々なものを試したいので、毎回違うものを選びます。とても便利だと思います、ドイツにはこういうものがないので。一食としてもちゃんと揃っています。とてもカラフルで食欲をそそります」 様々なおかずやご飯が入っていて栄養価が高いと外国人に人気の弁当。自身の国に弁当の文化がないか聞いてみると… Q:あなたの国にもお弁当のようなものはありますか? カナダから:「ないです。スーパーでは出来合いのランチは売っていません。自分で作るか、レストランに行くしかないです」 イタリアから:「私は普段、家でランチを作って職場に持って行っていましたが、日本のお弁当のようなものではありません。パスタなど、一品だけを持って行くことが多いです。また大抵は家に帰って家族と昼食をとる人が多いです」 英語の辞書を開いてみると、そこにはアルファベットで「bento」の文字が。今や弁当は日本固有の文化として海外でも認められているようです。 そもそも弁当は5世紀頃、狩りや農作業の途中で食事がとれるようにと米を乾燥させて作った「干し飯」が起源だといわれています。それが江戸時代、花見や観劇のお供として広まり庶民に定着。現在の弁当の原型になったということです。 日本で独自に弁当文化が発展した理由について専門家は江戸時代に盛んになった花見が大きく関係していると指摘します。 権代さん:「みんな弁当持ちで行くことになります。それで弁当持ちだったら一人よりもみんなで行こうということで、みんなで誘い合わせて行きますね。だからすごく頑張ってご馳走を詰めるようになるんです。だからそれまでのお弁当は空腹を満たすためのお弁当ですけれど今度は楽しみのための弁当、みんなで食べるからちょっと見栄を張っちゃってご馳走を詰めていく」 様々なおかずを詰めるという日本の弁当文化は、海外からの注目も高まっています。 新宿区歌舞伎町のホテルで朝8時に始まったのは、インバウンドの宿泊客を対象にした弁当作り体験です。この日はスイスから来た二人組が初めての弁当作りに挑戦。玉子焼きやおにぎりを実際に作り、用意された数種類のおかずを真剣な表情で弁当箱に詰めていきます。 「どこに詰めようかしら…ここね」 出来上がったお弁当がこちら! スイスから:「おかずが多いので、なるべくスペースを使いきるように詰めました。最後にシールを貼ったり、ピックを刺したりするのも楽しかったです。新鮮な体験で面白かったです」 去年始まったこのサービスは好評で、月に30人ほどの宿泊客が参加しているといいます。 担当者:「詰めるっていう文化が海外の方はないですし、それもきれいに見た目で楽しめる詰め方っていうのは日本にしかないなっていう風に感じているので。すごくお客様に高い経験価値を提供できているかなという風に感じております」 弁当箱に詰めることを楽しむ外国人がいる一方で、その弁当箱に魅入られた外国人もいます。 ベルトランさん:「小さい箱に、フルコースが入る。その箱のサイズや彩りなどいろいろ考えなければいけないので、味だけでなく見た目がすごい大事ですよね」 フランス出身のベルトランさんが京都にオープンしたのは弁当箱の専門店です。扱っている弁当箱は和のデザインの物を中心に合わせて400種類以上。海外への発送も行っていて、これまでに100カ国以上から注文が来ているといいます。 ベルトランさんはさらに弁当を海外へ広めていきたいと話します。 ベルトランさん:「今年もまたインドネシアのアーティストの柄を考えて今度弁当箱と風呂敷を売る予定なので、これからもうちょっと海外や日本のアーティストにお願いして新しいデザインを考えたいと思います」 (2025年8月1日放送「おはリナ!」より)

https://s.mxtv.jp/mxnews/amp/mxnews_46513120.html

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