精神科病院で看護師が暴行か 告発の弁護士「患者10人から虐待被害の相談」

(事件・事故 - 2023年02月17日 20時30分)

 八王子市の精神科病院で看護師が入院患者を暴行したとして逮捕された事件で、告発した弁護士が会見を開き、患者の悲痛な声を訴えました。暴行を受けた患者は10人以上に上る可能性も指摘されました。  八王子市の精神科病院「滝山病院」で撮影された、職員が入院患者に暴行を加えている様子とされる映像には、職員がおびえる患者を容赦なくたたき、ベッドに押さえ付ける様子、暴言を吐く様子などがいくつも記録されています。  この事件を警視庁に告発した弁護士が2月17日に記者会見を開き、映像を公開しました。会見した高橋門前法律事務所の相原啓介弁護士は「数人の心ない職員による偶発的な虐待事件とはあまり思えない。どちらかといえば病院全体にこういったことがまん延しているのではないか」と訴えました。  警視庁によりますと、滝山病院では看護師ら4人が2022年1月から4月にかけて病院内で複数の患者に暴行した疑いがあり、2月14日には4人のうち1人の看護師の男が逮捕されています。  会見した弁護士は、虐待被害の相談は2021年夏ごろから入院患者10人ほどに上り、一部の患者は違法な身体拘束をされていた疑いがあると訴えました。相原弁護士は「『このまま連れて帰ってください』『病室に帰ったらまた殴られます』『どうしても連れて帰れないんだったらここにずっと一緒にいてください』と、ずっと泣きながらおっしゃっている方(患者)がおられました」と説明しました。  また、虐待の情報を得た東京都は2月15日に病院の立ち入り検査を実施しました。職員や患者の一部から、虐待について「やっていたと聞いたことがある」と証言があったということです。さらに2022年6月の定期検査では「虐待に関する研修が十分でなかった」として、東京都が指導を行っていました。  虐待が日常的に行われていた恐れが出てきた今回の事件について、警視庁と東京都が現場の状況を詳しく調べています。

続きを読む