新型コロナの水際対策、ひっそり緩和… 閣僚から疑問の声も
日本政府は8月15日から新型コロナウイルスの「水際対策」を緩和しました。緩和されたのは、日本入国時に必要な検査証明書の取り扱いについてです。 これまでは旅行期間が3日以内の短期の海外旅行であっても、渡航先で検査を受けないと帰国できませんでした。これが15日からは「出発前に日本で受けた検査証明書が、現地出発の72時間以内であれば有効になる」というものです。つまり、出発前に陰性で3日以内に帰国するのであれば現地で検査を受ける必要がないため、週末を利用した海外旅行や海外出張などが容易になります。しかしこの緩和措置に対し、河野デジタル大臣は自身のツイッターの中で「これが有効ならば、そもそも帰国時の検査は不要ではないか」と疑問の声を上げています。 また、今回の緩和については8月15日に厚生労働省が「検査証明書の取り扱いに関する文書」を改訂する形で発表していますが、新任の加藤勝信厚生労働大臣は12日と15日の記者会見では何も触れず、厚労省と外務省のホームページだけで発表しています。しかも厚労省のホームページの中でも「検査証明書についてのQ&A」の中の1問としてひっそりと掲載しているだけです。 これまで求めてきたものを変更するに当たっては丁寧な説明が欠かせないはずですが、政府にその姿勢はなかなか見られません。水際対策については経済界などからも緩和を求める声が上がっていますが、政府の中で議論が進んでいるのか進んでいないのか、なかなか見えてこないのが実情です。この状況について共同通信・編集委員の太田昌克さんによる分析です。動画でご覧ください。 変異株の拡大などで新型コロナを巡る対策はその都度さまざまに変化してきました。今後も対策の変更は続きますが、その時に欠かせないのは「丁寧な説明」ではないでしょうか。
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