<東京デフリンピック>空手 小倉選手 形・組み手2つのメダルを獲得
聴覚に障害がある世界のトップアスリートが集う国際スポーツ大会「東京デフリンピック」は11月24日に大会10日目を迎えました。大会期間も終盤を迎え、この3連休にもメダルラッシュとなりました。 <サッカー男子 悲願の金メダルへ 双子が生んだ決勝点> 22日正午に行われた準決勝のアメリカ戦。会場の福島県のJヴィレッジには多くの人が応援に駆けつけました。日本は前半10分に試合を動かします。双子の岡田兄弟の弟・拓也選手が左サイドでボールを受けると、相手ディフェンス3人を引きつけ、スペースに走り込んだ兄・佑也選手へパス。佑也選手がフリーでクロスを上げ、中央にいた星河真一郎選手が見事なヘディングで先制ゴールを奪いました。今大会失点1の堅い守備を誇る日本は、そのまま逃げ切り決勝進出を決めました。試合後、岡田兄弟は「必ず一番最高のメダルを取ります」「楽しむことを忘れずに、一番いい色のメダルを取りたいと思います。応援よろしくお願いします」と語りました。 <陸上 山田選手 200m銀 マイルリレーでは金> 父として臨む初のデフリンピックで、陸上の山田真樹選手が金メダルを獲得した陸上男子400メートルに続き、男子200メートル決勝にも登場。山田選手は前半3番手につけ、残り50メートル付近で追い上げを見せるも、結果は僅差の2着。しかしタイムは21秒61を記録し、自身が持つ日本のデフ記録を更新しています。 その後、妻の鮎美さんと娘さんがスタンドで見守る中、男子4×400メートルリレーが行われ、エースの山田選手はアンカーを務めました。1走の足立選手が勢いよくスタートを切り、レースは序盤から日本とケニアの一騎打ちに。2番手でバトンを受けた山田選手、並走していたケニアのアンカーが転倒したため、そのまま独走状態に。最後はスタンドの歓声に応えるように手を上げながら1着でフィニッシュ。妻の鮎美さんは「いい結果を出せたことはもちろん、メダル以上に頑張ったと思います。安心とうれしい気持ちと、お疲れ様の気持ちでいっぱいです」とコメントしました。タイムは3分17秒00で、日本はこの種目で初となる金メダルを獲得しました。 <空手 小倉選手 形・組み手2つのメダルを獲得> 足立区の東京武道館では、23日と24日の2日間にわたり、デフ空手の形と組手の2種目が行われました。前回のブラジル大会で両種目の金メダルを獲得している小倉選手は、連覇を目指して出場しました。まず行われた形の試合では、1戦目を堂々の1位で突破したものの、2戦目は0.1点差で決勝進出を逃し、銅メダルを獲得しました。小倉選手は「狙っていたメダルの色ではないので悔しい気持ちと、最高のパフォーマンスができ、すっきりした気持ちと半々」と心境を語りました。 続いて24日行われたのは、相手と対戦形式で行う組手です。決勝進出を果たした小倉選手は、ウクライナの選手との接戦を制し、金メダルを獲得。普段は聾学校の先生として子供たちに指導している小倉選手は、子供たちにかっこいい姿を見せたいと臨んだこの大会で、2つのメダル獲得となりました。「きのうの形は3位という結果になってしまい、きょうは絶対に金を取るぞと思って目標にしてきましたので、無事に金が取れてうれしい」と喜びを語りました。 <卓球 亀澤選手 デフ卓球最終日に悲願のメダル> 卓球競技の最終種目となった団体戦、女子団体には日本のエース亀澤理穂選手が出場。亀澤選手はこれまで混合ダブルス、シングルス、女子ダブルスに出場してきましたが、惜しくもメダルを逃し、涙を見せる場面もありました。女子団体の試合会場となった東京体育館は、観客席の2階がほぼ満席となり、3階席にも観客が入るほどの盛り上がり。大会の知名度向上のため、2年以上にわたって広報活動にも力を入れてきた亀澤選手、メダルの色を懸けた決勝リーグに挑みました。1試合目のポーランド戦では日本チームが3対0で快勝、続いて行われた2戦目は絶対王者である中国との対戦。日本は中国の高い壁に阻まれ、銀メダルとなりました。応援してくれた娘・結莉ちゃんの首にメダルをかけたいという亀澤選手の願いが、ついに叶った瞬間となりました。 (※動画内の2次元コードは「番組放送中のみ」の機能です。ご了承ください。)
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