木下都議への“公開質問”が延期… 都議会の対応、各会派が予定していた質問は?
東京都議会は11月18日、無免許運転で人身事故を起こした木下富美子都議を議会運営委員会に呼び出し、主要会派が公開で質問する予定でした。しかし木下都議は体調不良を理由に委員会を欠席しました。TOKYO MX「news TOKYO FLAG」では主要5会派に取材し、公開質問で予定していた質問や今後の各会派の姿勢についてまとめました。動画でご覧ください。 7月の都議選期間中に人身事故を起こしたことを公表しないまま再び当選した木下都議は、体調不良を理由に都議会への欠席を続けていました。都議会は異例となる2度の辞職勧告決議を出していますが、木下都議は「辞職しない」意向を示しています。そのため、都議会は11月18日に議会運営委員会を開いて公開質問を行う予定でしたが、木下都議は7月以来続いている体調不良が再び悪化したことを理由に欠席しました。そこで委員会は今後の対応を協議し、11月24日の委員会に木下都議を再び呼び出すことを決めました。 中止になった公開質問で各会派はどのような質問をする予定だったのでしょうか。都議会自民党は「議会では辞職勧告を出しているが木下氏は議員継続を望み、全く折り合えていない。見解を伝え、ただしていきたい」(小宮安里幹事長)、都民ファーストの会は「本人から直接一連の事案についてどう思っているのか、一度ただしたい」(増子博樹幹事長)、都議会公明党は「木下都議はこれまで捜査中ということでなかなか詳細を話さなかったが、捜査は終了したということなので、しっかり話をしてほしい」(東村邦浩幹事長)、共産党都議団は「選挙期間中の無免許事故を明らかにせず木下都議は当選した。自覚と責任を問われる事態。これをしっかりただしたい」(和泉尚美幹事長)、都議会立憲民主党は「木下都議の説明内容は本当なのか。『応援している人がいる』という内容など、事実関係をはっきりさせる」(西沢圭太幹事長)などとしています。各会派とも再び呼び出すことになった委員会で質問することになるため、現時点で質問内容について具体的に話せない部分はありますが、先日の木下都議の記者会見だけでは説明が不十分であるという点では一致しています。 また今後、各会派としてどのような姿勢で臨むのか尋ねると、自民党は「議員辞職するべきだとわれわれの考えを伝え、説得していきたい」、都民ファーストの会は「自ら辞職してほしい。辞職しないとなれば、どういうことができるのかあらゆる策を考えざるを得ない」、公明党は「多くの都民から一日も早く辞めるべきという声がある。この声を受けて取り組んでいきたい」、共産党は「木下都議が議員を続けるというのは議会への信頼を失いかねない。そういう立場で臨む」、立憲民主党は「都民への説明もできないし、都政の停滞にもつながる。辞職を求めないといけない」などとして、辞職を求めるのはもちろん、辞職しない場合の次の手について話す会派もありました。 では、都議会全体として今後木下都議に対してどのような道筋を描いているのでしょうか。元衆議院議員の若狭勝弁護士は「除名決議へのステップを踏もうとしているのではないか」とみています。除名については地方自治法の第137条に「議員が正当な理由なく会議に欠席し、議長が召喚状を出しても出席しない者は、議長において議会の議決を経て除名などの懲罰を科することができる」とされています。若狭弁護士は「今後、議長から再び召喚状を送るなどしても木下都議が出てこなければ、それを正当な理由として除名手続きに入るのではないか」と話しています。 このような騒動が続く間も木下都議の報酬は発生し、都議会の大事な時間は削られていきます。まずは次回の委員会に向け、木下都議にはしっかり体調を整えてもらい、質疑が行われることを願います。
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