町田市調査委員会 いじめ認定も小6女児自殺「原因は複合的で特定できず」/Bullying-certified suicide cause is complex and unspecified.
町田市で2020年に小学6年生の女子児童が自殺した問題。市の調査委員会はいじめを認定した上で、「自殺の原因は複合的なもので特定はできなかった」とする報告書を公表しました。 「午後1時半前です。いじめ問題についての調査結果がこれから発表されます。」 町田市役所できょう(21日)、いじめ問題の調査委員会が石阪市長に対し、市内で起きた女子児童の自殺といじめとの因果関係を調べた報告書を提出しました。 相川委員長:「重大事態の原因というものが複合的なものであって、自死の原因を特定はできない、できなかったというもの」 2020年11月、町田市の市立小学校に通う6年生の女子児童が「いじめを受けていた」「おまえらのおもちゃじゃない」などのいじめを訴える遺書を残し、自殺しました。自殺した女子児童は学校配布のタブレット端末のチャット機能で「うざい」「死ね」などの悪口や、突然「縁を切る」などと言われる嫌がらせを繰り返し受けていました。翌年2021年3月から町田市教育委員会は対策委員会を開き、10月に「いじめだけが原因ではない可能性がある」という報告書を市に提出しました。ただ、同じ年の11月に町田市の石坂市長は「あらためて重大事態の事実解明が必要」として、調査委員会を立ち上げました。そして、自殺から3年以上が経ったきょう(21日)、これまで49回にわたって会議を開き調査した結果が報告されました。 相川委員長:「なんらかの工夫によって、防げる可能性はあったのではと思いますし、ぜひこれからのこととしては防げるようにあってほしい。」 報告書では「複数のいじめがあった」と、いじめの事実を認めましたが、「いじめのみが自殺の原因となったのではなく、人間関係のストレスが児童の心を弱らせた」との結論を出しています。そのうえで、「学校及び家庭の十分な対応で、 自殺を防げた可能性がある」と説明しています。 石阪市長:「自死に至る経過は複合的な要因だとまず理解した。そうなると、学校での問題、家庭、社会そのもので子どもを守っていくことがもう一度報告を受けて大事だと思う」 調査委員会はきょう(21日)で解散とし、今後、町田市は児童の相談体制を強化していく考えです。 一方、市の発表を受けて遺族がコメントを出し「調査は不十分で不完全だと考えている」として「町田市の対応はいじめに向き合う姿勢がなく、疑問と怒りしかない」と、抗議しています。 ///// 町田市で起きたこのいじめの問題、改めて経緯を振り返ります。2020年9月、女子児童は学校のアンケートに「友人関係に悩みがある」と回答。学校側はいじめの兆候を把握していましたが、「当事者同士で解決していた」と判断しました。その2カ月後、女子児童がいじめを訴える遺書を残し、自殺しました。両親は「いじめがあったことは自殺後に知った」と、話しています。その後、市の教育委員会は対策委員会を開き 2021年10月に報告書を市に提出。自殺について「いじめだけが原因でない可能性がある」と報告しました。一方で両親は「説明が不十分で調査も一方的に進めている」と反発していました。そして、翌月町田市はいじめとの因果関係を再調査する第三者委員会を立ち上げ、これまで49回にわたって会議を開き、調査結果をまとめました。 そして、きょう(21日)公表された調査結果では「複数のいじめがあった」ことを認めた上で、いじめのみが自殺の原因ではなく、人間関係のストレスが児童の心を弱らせる一因となったとしました。また学校及び家庭の十分な対応によって、自殺を防げた可能性は否めないとし、原因は複合的なものであり学校だけが自殺の原因とは特定できない。とまとめています。 東京都は自殺相談ダイヤルのほかLINEでも相談を受け付けています。また厚生労働省もいのちの電話やLINEでも相談を受け付けています。1人で抱え込む前に誰かに相談してください。
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