外国人が注目!日本の自販機の多様性
東京の魅力や課題を外国人記者の視点でお伝えするTOKYO LENSです。取材したのは中国出身で中国語、日本語、英語を話す報道部の曹蒙記者です。今日取り上げるのは「自動販売機」です。 日本は自販機大国と呼ばれるほど世界的に見て自動販売機の台数が多く、その種類の豊富さは海外から注目されています。この多様さを支える技術と自動販売機を活用した近年の新たな取り組みを取材しました。 自動販売機…その起源は古代エジプトと言われ、コインを置くとその重みで水が出る簡易的なものでした。それから2000年以上経った今…日本の街には自動販売機があふれています。国内に設置されている数はおよそ391万台で日本は「自販機大国」とも言われています。 ここまで多くの台数が設置されている理由について清涼飲料の販売業者などでつくる団体は治安のよさを指摘します。 稲野さん:「日本は非常に治安がいいので、屋外の自動販売機も壊されない環境であること、またお金を入れたら必ず購入できるですとか、そういう管理がしっかりされているのも日本ならではの文化であったり国民性であったりそういうところを反映しているのではないか」 そんな日本の自動販売機を国内外にアピールするためことし渋谷にオープンしたのは自販機だけが並ぶ施設です。搾りたてのオレンジジュースが飲めるものやカップラーメンが買えるものまで、13種類が設置されています。その珍しさから多くの外国人が訪れていて客のおよそ半分を占めています。 アメリカから来たこちらの男性が購入したのは…グミ アメリカから:「たいてい自販機は飲み物だけなので、お菓子の自販機を見つけてワクワクしました」 アメリカから来たこちらの男性は日本の自動販売機の数と種類に驚いた様子です。 「アメリカではこのような果汁100%のジュースってなかなか手に入らない。日本では道を歩いていると買えるのが本当にすごい」 中国出身の曹記者も… 曹:「日本の自販機はとにかくあらゆるところにありますよね。中国では大都市など一部に集中していました」 多様な種類の自動販売機を実現できる背景には日本の技術力があります。訪れたのは墨田区にある製造メーカーです。カレーや揚げ物などの冷凍食品を販売するこちらの販売機の中を見せてもらうと… 「手前の扉を開けますと中にカップアイスが入っています。こういう小さな商品からこちらのフードパックに入った大型の商品まで。様々な商品を入れることができるようになっています」 決まった大きさの商品しか販売できない従来のものと異なり、この自動販売機では商品を入れる可動式の箱「コラム」とその中に入れる商品一つ一つの区切り「スパイラル」を組み合わせて商品を収納しています。コラム・スパイラル共に幅や高さが異なるものが数種類ずつあるため、これらの組み合わせにより幅広いサイズの物を売ることが可能になったといいます。 「ナショナルブランドの冷凍食品を何百種類と集めてきて、最大公約数的に使ってもらえるコラムの仕様を揃えていった」 そして日本では今自動販売機の形態が進化しています。都内の企業が行っているのが… 「自由販売機という取り組みをしています」 自由販売機とは自動販売機の棚の一部を開放し企業などがその枠を契約することで自由に商品を出品できる仕組みです。例えばこの自動販売機…ドリンクが並んでいますがその一つ下の列には別の企業が出品したラーメンが売られています。自動販売機の利便性と普及率に注目して始めたこのサービスは、近年、海外からも注目されているといいます。 「海外の企業が日本でなにか出品したいとか物を売りたいってことがあるときに、これまでは店舗を構えて物を売るっていうことを選択されたりしてたんですけど、自分たちの商品をブランドとして自販機で日本で売っていくというような企業からの相談も最近増えている」 (2025年5月9日放送「おはリナ!」より)
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