「小1の壁」解消へ 江東区・調布市で“朝の居場所づくり”

(福祉・教育 - 2025年09月08日 19時00分)

東京・江東区内の小学校で9月8日から、学校の授業が始まる前に児童が学校で過ごせる「朝の居場所づくり」の取り組みが始まりました。これは、子どもが保育園から小学校へ入学すると、親にとって子育てと仕事の両立がしづらくなるいわゆる「小1の壁」の解消を目指すものです。 親の出勤時間と子どもの登校時間がずれる朝の時間帯に“子どもの居場所”を確保するため、午前7時半から開門までのおよそ30分間、校内の教室などを活用し、シルバー人材センターの高齢者が児童を見守ります。早速、初日に利用した3年生児童の保護者は「(子どもを見届けるために)会社に遅刻していたのですごく助かります。(この取り組みが)絶対に続いてほしい」と話していました。 江東区ではモデル事業として3つの小学校で先行して実施し、課題を検証した上で来年度以降の本格的な実施を目指します。 江東区の本多健一朗教育長は「勤務時間と合わず、子どもが学校の校門前でずっと待っているのは、やはり安全面でもあまりよくない。今回、実態を調査しながらモデル的に進めていこうということになった」と話しています。 こうした動きは調布市でも始まっています。 調布市が行う「みまモーニング」の取り組みでは、午前7時半から8時15分まで小学校の教室や体育館を開放しています。取材した日も午前8時の小学校の教室にはすでに複数の児童が登校して、読書をするなどして過ごしていました。 今年5月に4つの小学校で先行して始まり、9月から6つの小学校を追加してさらなる利用を促していきます。市教委の担当者は「10校の状況を確認して、拡充に向けた検討を来年度に向けてしていきたい。調布市全体で子どもを見守り、より一層子育てしやすい街にしていきたい」と話しました。 <都内で実施自治体が増加 課題は“見守る人の確保”> 東京都内の「朝の小1の壁」対策の実施は「予定」も含め、港区・江東区・品川区・大田区・世田谷区・杉並区・豊島区・江戸川区・八王子市・三鷹市・昭島市・調布市・小平市の13自治体となっています(TOKYO MX調べ)。このうち、都内で最も早く取り組み始めたとみられるのが、2023年に開始した三鷹市で、そこから徐々に拡大しています。 実施している自治体からは「ニーズの高さを感じる」という声がある一方で、対象の学校を増やすためには子どもたちを見守る人員の確保が課題になっています。

https://s.mxtv.jp/mxnews/amp/mxnews_46513120.html

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