八丈島 漁業再開で飲食店「夏の活気戻った」「復旧のともしびに」

(地域・まち - 2025年11月12日 21時00分)

東京・伊豆諸島の八丈島は、相次いだ台風22号・23号の影響で大きな被害を受けました。1カ月ぶりに漁業が再開した島を11月12日に訪れてみると、三根地区にある郷土料理を出す飲食店では店主が水揚げされたばかりの地元のキンメダイをさばいていました。 八丈島郷土料理・梁山泊の山田一行店主は「うれしいですね。ずっと魚をおろすことができなかったのでうれしい。久しぶりに夏のような活気が戻ってきた」と笑顔を見せました。この店は断水の復旧後に再開していましたが観光客が訪れず、客足は伸びていませんでした。 1カ月を経てようやく届いた地元の魚に、店主の山田さんは「起爆剤になってほしい」と期待しています。山田さんは「1カ月ぐらい売り上げも下がっていたので、その分を少しずつ回復できたら」と話します。そして現在、島では多くの人が復旧に向けた作業をする中、地元の食が“ともしび”になればとして「少しでも島の経済を回していく意味でも、災害関連で来島した人も島のものを食べて帰っていただきたいなと思っている」と語ります。 希望の明かりがともり始める中ですが、その一方でいまだに“爪痕”が残る場所もあります。島の西にある八重根港の施設の屋根は、いまなお大きく剥がれています。 こうした台風被害があった現場を撮影し続ける島民のカメラマンがいます。中之郷地区で写真館を営む平田龍乃介さんは島の災害現場を撮影し、SNSでその写真や動画を公開しています。平田さんは「電気も水も止まって、どうしようと考えるのに必死だった。そんな中でも島の大工や漁師は持っている機材を総動員して復興に当たっていて、格好よかった。報道関係者もなかなか入ることのできない地域だったので、まずは私が撮影してみんなに知ってもらいたいという思いだった」と振り返ります。 また、被害が大きかった末吉地区などでは町役場と協力し、カメラを搭載したドローンを使い、一般の人では撮影できない現場の様子を伝えています。平田さんは「『末吉地区の写真が見られてよかった』と言ってもらえた。揺るがない事実をそのまま写真に記録することが、末吉の人にとってはうれしかったんだと思う」と語ります。 いつか町が立ち直り、この記録を振り返った時に「復興の象徴になってほしい」と語る平田さんは、きょうも島を巡り、カメラを回します。平田さんは「ビフォーアフターって感動するじゃないですか。そのビフォーに今、この現場がなるのかなと思って。だからこれから復興の象徴として、いつか活用する機会があるのかなと夢に思って撮影しています」と話しています。

https://s.mxtv.jp/mxnews/amp/mxnews_46513120.html

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