終戦から80年…都内各地で追悼行事 平和への誓い新たに
終戦から80年となる節目の日を迎えた8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京・千代田区の日本武道館で開かれました。遺族らが先の大戦で犠牲になったおよそ310万人を悼み、平和を誓いました。また、夜には江東区亀戸の旧中川では鎮魂の灯籠流しが行われ、東京大空襲の犠牲者を悼みました。 全国戦没者追悼式には天皇皇后両陛下や石破首相、戦没者の遺族らが参列しました。石破首相は式辞で「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません」と述べました。安倍晋三元首相らと同様、アジア諸国への加害責任には触れなかった一方で、首相の式辞に「反省」の文言が盛り込まれたのは13年ぶりのことです。 天皇陛下は「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います」「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」とお言葉を読み上げ、今年も「深い反省」に触れられました。 一方、文京区で東京都が行った追悼式では若い世代への「伝承」を目的に、今年初めて都内の中学生らが招かれました。小池知事は式辞で「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと深く心に刻んでいる」と述べました。 東京大空襲の被害者のおよそ10万5000人に及ぶ遺骨が納められている墨田区の東京都慰霊堂で、空襲で母親を亡くした70代男性は「母が明治43年(1910年)生まれだが、亀戸で空襲で(亡くなった)。1度慰霊に来たいと思って来た」、空襲で義父を亡くした80代女性は「主人も亡くなり(参拝を一緒にする)身内がいない。80年なので、きょうは…と思って来た」と話していました。 戦争の惨禍を直接知る世代が減り、記憶の継承の在り方が問われています。
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