府中 刑務所内の生活を広め理解深める活動4年ぶりの文化祭
4年ぶりに開催となった府中刑務所の文化祭会場にはいたるところで行列ができています。今月3日、地域住民に理解を深めてもらい社会を明るくする運動の一環として行われたのは「府中刑務所文化祭」です。府中刑務所内で受刑者によって作られた木工品をはじめ、長野刑務所や岐阜刑務所など全国各地の受刑者によって作られた製品が販売されました。 「ありがとうございます」会場内で一際人気を集めていたのが、受刑者が手作りして普段から刑務所内でも食べているコッペパンです。 パンを焼くことができる設備を持つ刑務所は珍しく、受刑者が作るおいしいパンとして口コミが広まり1時間ほどで用意された1300本が完売しました。 そしてお弁当コーナーで売られていたのは・・・刑務所の中で提供されるカレーのレシピをもとに作られた「プリズンカレー」です。受刑者がどのような食事をとっているのか、料理を通じて所内の生活を知ることができます。さらに、刑務所をより深く理解してもらうイベントもありました。 「施設の見学ツアーの整理券を求め多くの人が慣れんでいます。」 一般の人は文化祭の時しか入ることができない所内を、見て回るツアーです。受刑者が木材や革などを加工する工場や体育館などを徒歩で見学・・参加した人たちは刑務所に対する イメージが変わったと話します。 見学者:「ちゃんときれいに整備されていてそんなにどんよりている感じじゃないというか罰を与えられている場所というよりはここで更生するするんだなというところなんだなと思いました。」「身近な場所ではないのでなおさら来て子どもにも刺激になるだろうしこういう人がこういう生活をしているんだよというのが知ることができて勉強になったと思う」 府中刑務所は、受刑者が二度と犯罪に手を染めないためには、地域や社会の協力が不可欠でその世界を知ってもらうためにも文化祭の開催は大きな意義があるしています。 「受刑者の再犯防止に取り組んでおりますがやはりそれには地域の方々をはじめとして社会の方々のご理解ご協力ご支援がなければそういったことは前に進まないこういった形で地域の方々をはじめ刑務所のことを理解していただけるという機会ができたと思っている」 ///// 再犯をどう防いでいくかが課題ということですが、全国的に再犯者率は、高止まりが続いています。 全体の検挙者数が、2004年の約39万人をピークに減少する中で、再犯者も2006年の約15万人のピークに減少はしていますが、初犯数の減少ほどではなく、再犯者の割合は、2021年で48.6%と、受刑者の2人に1人が再犯者となっています。この要因となっているのが、出所者の、「就労」と「住居」の問題です。働きたくても雇ってもらえず、お金がなくなり、また犯罪に手を染めてしまうという負の連鎖を断ち切ろうと、始まったプロジェクトもあります。 それが2013年に日本財団が始めた「職親プロジェクト」です。出所者と企業をつなぐ取り組みで、発足時は加盟する企業が7社でしたが、今年8月末時点で、加盟企業が326社まで拡大しています。また法務省も、出所者を採用した企業に、毎月最大で8万円の奨励金を支給する制度など行っています。
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