「子どもSNS利用を禁止」外国人はどう見る?
特集です。ニュースや課題について海外の人たちはどのように見るのか!中国出身の報道部・曹蒙記者が世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。今回取り上げるのは「子どもSNS利用規制」ということで、近年、子どもたちがSNSの利用によって事件に巻き込まれる事例が世界的に問題になっています そんな中、オーストラリアでは去年、16歳未満のSNS利用を禁止する世界初の法律が成立しました。 インスタグラムやティックトック、Xなどが対象で早ければことし施行されます。 さらに、その他の国の状況を見てみますと、まず、フランス議会では保護者の同意がないと15歳未満がSNSを利用できないようにする法律を認めました。 そして、イギリスもSNSの運営会社に子どもの有害コンテンツへのアクセル防止策を義務付けています。 アメリカ、フロリダ州では、動画を連続再生するSNSのアカウントを14歳未満が作ることを禁止する法律が作られたりと、このように規制が広がってきています。 一方で、オーストラリアの規制については専門家から懸念の声が上がっています。子どもが情報を集めたり表現したりする自由が失われるのではないか、性自認に悩んだり、親の虐待に苦しんだりしている子どもが孤立するのではないか、こういった懸念の声も出ています。 そこで今回は各国から訪れた外国人にこの政策についてどう思うのか、自国の現状について聞きました。 曹蒙:「オーストラリアでは16歳未満のSNS利用を禁止する新しい法律が成立しましたが、それについてどう思いますか」 フィリピンから:「どの国でもSNSに特化した法律を導入すべきだと思います」「今の時代では、子どもたちがインターネット上でどんなコンテンツに触れるか分からないからです」 スペインから:「正しいと思います。SNSは多くの問題を引き起こしていて、スペインでもそうですし世界的な問題だと思います」 スペインから:「SNSはたばこやドラッグのように依存性があるため、子どもには自己制御が難しいんです」 実際に法律が成立したオーストラリア出身の男性は… オーストラリアから:「いい法律だと思います。子どもがインターネットを使っているときに、常に親が何を見ているかを把握することはできません。SNSを使うのは大人になってからでも遅くありません。若い世代を守るという意味で妥当だと思います」 一方で、禁止することに懸念を示す人も… アメリカから:「例えば子供にお菓子は一切ダメと言って育てた場合、家を出たら逆に食べ過ぎてしまうかもしれません。SNSも同じで、完全に禁止してしまうと、いざ制限がなくなったときに、のめり込み過ぎる可能性があると思います」 また、禁止ではなく、制限の方がよいという意見も… アメリカから:「「全面的に禁止する」よりも「制限をかける」方が現実的だと思います。例えば本人が実際にあったことのある友人だけとつながれるようにしたり、用途を限定したりする方法が考えられます」 アメリカから:「一律に禁止するのはよくないと思います。悪いことをしている場合は制限してもいいと思いますが」 曹蒙:「なぜ禁止すべきではないと思いますか」 アメリカから:「SNSを実際に役立つことに使っている人もいるからです」 続いて自国の状況について聞きました。 曹蒙:「あなたの国で似たような法律はありますか」 スペインから:「いいえ、ありません」「一部の学校では携帯電話を箱に入れて使えないようにするルールがあります。でもそれは法律ではなく、あくまで学校の自主的な取り組みです」 スペインから:「スペインでも若者の間でネットいじめが多くあります」 スペインから:「ただ、それを先生がコントロールするのはとても難しいです。僕は中等教育の教師をしていますが、深刻な影響があるのに対処が難しいです」 ブラジルから:「ブラジルでは学生が校内で携帯電話を使用できないという法律ができました」「今年から施行されていて、私立・公立問わず全国の学校に適用されています」 さらに、イタリア出身の男性は教育を充実させることが子どものトラブル防止につながるのではといいます。 イタリアから:「学校で心理学者などの専門家と一緒に話し合いの場を設けるなどして、こうした問題を未然に防ぐ取り組みが必要です。理由をきちんと説明しないで禁止しても意味がないと思うので、「なぜその決定をするのか」「なぜその行動が必要なのか」をしっかり伝えることが問題の予防に繋がると思います」
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