日本の「中古品」に外国人が注目!その背景は?
外国人記者の視点で日本の魅力や課題をお伝えするTOKYO LENSです。取材したのは中国出身で中国語、日本語、英語を話す報道部の曹蒙記者です。きょう取り上げるのは「中古品」です。 日本の中古品市場は近年右肩上がりに拡大しています。そしてその理由の一つとして外国人客からの注目の高まりが挙げられます。日本の中古品市場の現状を取材しました。 真剣な面持ちの外国人たち。 視線の先にあるのは古着のトレーナーです。 世田谷区の下北沢にある古着店は客のおよそ半分が外国人です。Tシャツを見せあうアメリカから来た女性3人組。日本の古着店で実感したというのは… アメリカから:「状態がとてもいいね」 クリーニングや管理が行き届いた日本の古着の品質の高さです。 さらに、値段の安さにも驚いていました。 アメリカから:「このTシャツは、アメリカなら倍の値段かもしれません」 曹:「倍ですか!」 最終的にTシャツ2枚とズボンを購入し息子へのプレゼントにするということです。 「いい買い物ができたと思います。息子に渡すのが楽しみです」 同じくアメリカから来た男性が探していたものはアメリカのアメフトチームのユニフォームです。 曹:「なぜアメリカの服をアメリカではなく日本で買いたいのですか?」 アメリカから:「アメリカではもう手に入らないからです」「もう引退している選手が多いので、アメリカの古着店ではこれらのユニフォームはなかなか見つかりません」 男性によりますと日本の古着店の方が昔のデザインや選手のものなど品揃えがいいのだといいます。 斎木さん:「3年前くらいからかなり海外の方は増えてますね」 状態の良さから値段の安さ、種類の豊富から外国人に人気の日本の古着。こうしたインバウンド需要の高まりなどの影響で日本のリユース市場は右肩上がりで拡大していています。2009年には1兆1000億円規模だったのが2030年には4兆円になる見込みです。 日本のリユース市場で海外に注目されているのは古着だけではありません。 曹:「こちらの中古ブランド買取販売店も、多くの外国人客でにぎわっています」 中央区にある中古ブランドの買取販売店は来店客数がここ1年ほどで倍増していて中でも外国人がおよそ8割を占めるといいます。どうして日本で中古のブランド品を買うのか聞いてみると… アメリカから:「日本では鑑定がしっかりしていると聞いています。日本の鑑定プロセスは信頼できます。」 Q:「本物かどうかの心配はありますか?」 タイから:「この店はとても有名で、信頼できます。だから本物を売っていると思っています。」 外国人客が口にするのは日本の鑑定は正確だという「信頼感」です。 そしてこの評価が近年、「メイド・イン・ジャパン」から派生して日本で鑑定されたという意味の「チェックド・イン・ジャパン」と呼ばれ新たな価値として定着しつつあります。 駒田さん:「日本でかなり厳格にチェックされてる、チェックド・イン・ジャパンというところが海外で認知が広がってきていて安心して日本で買えるというのが広まっているのかなと思います」 この評価を支えているのが、査定時に用いるこの企業が独自に開発したAI技術です。その技術を見せてもらうことに…使用するのは、マイクロスコープ。表地やブランドのロゴなど7カ所ほどを撮影しAIがこれまでに蓄積したブランド品の画像データと比較します。 「表面の凹凸であったりだとかステッチ(縫い目)であったりだとか、そういう細かいところを含めて総合的に判断している状況です」 撮影完了後、診断にかけると…わずか2秒足らずで結果が表示されます。 駒田さん:「まだまだ経験の浅いバイヤー(鑑定士)でもAI真贋を使うことによってベテランと同じような査定ができるというのがメリットかなと思います。」 新たな技術が追い風となり日本の中古品が海外からますます注目されています。 (2025年4月25日放送「おはリナ!」より)
続きを読む