救急隊員への妨害行為 5年超で111件…東京消防庁「活動への協力を」

(その他 - 2024年09月20日 20時00分)

救急隊員への暴力や暴言などの妨害行為が2019年から2024年9月までの間に111件発生していたと東京消防庁が発表しました。東京消防庁は「活動への理解と協力をお願いします」と呼びかけています。 フロントガラスがひどく損傷した救急車や、裾がびりびりに破かれた隊員服…。どちらも実際に救急隊員が被害に遭った時のものです。東京消防庁によりますと、このような隊員への妨害行為は2019年から2024年までの5年9カ月で111件発生しているということです。今年、救急車の出動回数は東京消防庁管内で過去最多となった前年を上回るペースとなっています。東京消防庁はこうした妨害行為が救急隊の活動をさらに逼迫(ひっぱく)させているとして「限りある救急隊が迅速に現場へ向かえるよう、活動への理解と協力をお願いします」と呼びかけています。 東京消防庁は、妨害行為へは法的措置も検討していくとしています。 <救急隊への妨害行為 搬送者が馬乗りで殴打も> 救急隊員への暴行は2024年9月だけでも既に2件起きています。1つは「酒を飲んで酔っていた搬送者の家族が突然、救急隊隊長に馬乗りになり、顔面を殴打した」というものです。殴られた隊長は頭部外傷で、別の救急隊によって搬送されました。この暴行のため、当該の救急隊は7時間にわたって出場不能になり、追加で救急・消防・警察が対応することになりました。また「搬送先の病院を探している時に搬送者が激高し、台所の包丁を手にしたため、救急隊の隊長が止めたところ、今度はそれを見ていた搬送者の知人が怒り出し、搬送者と共に隊長の顔面を殴打した」という事案も発生しています。この時も当該の救急隊は2時間にわたって出場不能となり、追加で他の救急隊などが対応することになりました。いずれも、暴行した加害者は警察によって現行犯逮捕されたということです。他にも、聴診器をかみちぎられるなどの被害も発生しているということです。

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