漏水対策に衛星データ活用 都内企業の新技術/New Technology Utilizing Satellite Data for Water Leakage Countermeasures
私たちの生活に無くてはならない「水」にいま、大きな課題が生じています。それが…水道管の老朽化です。全国ですすむ水道管の老朽化は漏水にもつながる可能性があり対策が急務となっています。この問題を解決に導こうと都内の企業によって開発された宇宙衛星を使った新技術が今注目されています。どんな技術なのか…その企業を取材しました。 「失礼します きょうはよろしくお願いします 木村です」百束:「天地人の百束です よろしくお願いします」 中央区日本橋に本社を構えるベンチャー企業…「天地人」のオフィスです。 天地人 百束泰俊 副社長 木村:「天地人ではどんな事業をしている?」 百束さん:「衛星データを活用した土地の評価とか分析を行っている/地球観測衛星っていうジャンルがあって あんまり聞いたことないですよね?」 木村:「無いです」 百束さん:「そのままなんですが 地球を観測している衛星なんです」 天地人ではこれまであまり活用されてこなかったという地球観測衛星の情報を使って作業の効率化や環境問題の解決に向けた様々なサービスを展開しています。そこで焦点を当てたのが「水道管の老朽化」でした。 百束さん:「水道管ってそもそも耐用年数を超えているものが多い インフラがそもそも古くなっていて 漏水や事故が増えている」 こちらは全国の水道管のうち耐用年数を超えたものの割合を示したグラフです。右肩上がりで割合が増えていて2021年には22.1%にまで増加しています。この水道管の老朽化により懸念される問題の1つが「漏水」です。東京都では現在、漏水の発生に確認するために専門の職員がこれまでの漏水の情報や経験を頼りに最終的には人の耳で水漏れの音を聞きだし場所を特定しています。天地人はこうした調査の労力や時間を減らしさらに効果的に行うために衛星データを活用して漏水リスクを評価するシステムを開発しました。 木村:「この地図の中に3色あるがこれは何を表している?」 百束さん:「これは漏水リスクの高さを表していて/一番赤いところがリスク5 オレンジがリスク4/感覚的には5とか4とかは調査に行った方が良い というような意味を持った分析結果」 地面の温度や隆起のデータなどを組み合わせることで漏水が起こりやすい場所を知ることができます。すでに全国20の自治体がこのサービスを活用していてその効果として漏水に関わる点検費用が最大65%削減調査期間が最大85%削減されたという検証結果も出るなど実用的な水道管の漏水対策として期待されています。 百束さん:「宇宙だからこそできるサービスがあると思う 広いデータが取れて過去の情報もあって/そういった特徴を活かしながら 地球とか人のためになるようなサービスを広げていけると良いなと思っている」 ///// この衛星データを活用した漏水リスクを評価するシステムは東京都や国も注目していまして、東京都水道局は今年天地人と契約し、どのように活用できるか検討を進めています。 また国は先月発表した新たな「水循環基本計画」の中で上下水道の基盤強化のためこうした人工衛星データを活用することをあげています。今後、水道管老朽化だけでなく衛星データの活用がどのように進んでいくのか注目されます。
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