忍び寄る自転車盗難の脅威 都内被害はコロナ禍前の水準に近づく 世田谷区で連続盗難の被害者が語る
TOKYO MXの報道記者が注目したニュースを深掘り・生解説する「ツイセキシャ」。今回は「自転車の盗難」を取材しました。都内の自転車盗難数の推移はコロナ禍で一時減ったものの近年、再び増えていて、去年は2万8千件を超えコロナ禍前の水準である3万件ほどに近づいてきています。自転車の盗難件数が都内で最も多い世田谷区。下北沢駅近くで蕎麦店を営む森さんは、ことしの8月と9月、連続で自転車の盗難に遭いました。 (森さん) 「大事にしていた20年来の相棒のロードバイクがまず盗まれて、そのあとに子どもを送り迎えに使っていたママチャリが盗まれた」 盗まれたのは、長年カスタムをして作りあげたオリジナルのロードバイクと子どもが乗れる荷台が付いた電動アシスト自転車の2台で、被害額は合わせて70万円に…。2台とも施錠して玄関前に置いていましたが夜の間に盗まれたということです。現在は買い替えるなどして新たな自転車に乗っていますが、経済的な負担は大きなものになりました。 (森さん) 「900円のそばでやっているので、それでどんだけそばを作ればいいんだ。大学生の時に友達と一緒に作った(ロード)バイクだったので、もう手に入らない部品とかあったり、もう会えない友達とも作ったので、もう手に入らないものなのかなと。ただ返して欲しいという気持ちしかない」 突如、奪われた思い出の詰まった自転車…。日常生活だけでなく、そば店の買い出しや営業にも影響が出たと話します。 (森さん) 「冷凍商品が売っている業務用のスーパーまで往復5キロ走ってリュックサックに入れて戻ってきてその間に溶ける。お店の前(開店前)に体力なくなっちゃう」 盗難事件などを扱う警視庁・生活安全総務課の森田管理官は電動アシスト付きの自転車は値段が高く特に狙われやすい傾向があるとし、二重の施錠など厳重な対策が必要だと指摘します。 (森田管理官) 「10万円以上の自転車でみた場合、施錠していても盗まれているのが6割から7割となっていますので、通常の自転車よりは施錠している状態でも盗まれている。自転車をとりにくくさせる。鍵をしっかりする、(鍵を)二重にするとか、防犯設備の整った場所に置くとかが大事」 また電動バッテリーだけが盗られるケースもありバッテリーを室内に持ち帰ったり、自転車本体と一緒に鍵をかけるようにしてほしいと呼び掛けています。一方、渋谷区にある自転車販売店の店主は近年、防犯対策への関心の高まりを実感していると言います。 (店長) 「毎日数組のお客様は鍵売り場の方に足を運んでいただいているので非常に多いかなと思う」 様々な鍵のなかでも、特に防犯能力が高いものについてうかがうと… (店長) 「こちらの2種類なんですが、くさりの鍵になっているので壊されにくいので防犯の強度が高い鍵になっている」 ダイヤル錠とくさりを組み合わせた鍵は、くさりをより硬くする加工を施し切断されにくくなっているということです。また長い鍵は電柱やガードレールに繋いで固定することができ、防犯性能が高いそうです。 (店長) 「こちらの鍵は長めに設定されていて、短い鍵だとその場で鍵をかけるだけになるので長い鍵だとどこかにくくりつけたりできるので人気の鍵になる」 自転車に簡単に取り付けられ走行中も持ち運びができるため、外出先での施錠に役立つということです。
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