都内に“警報”…急増する「手足口病」 熱中症リスクの指摘も

2022.08.10(水)

10:15

 主に子どもが発症する「手足口病」が急増していて、東京都も警報を出すなど注意を呼びかけています。医師は手足口病にかかることで熱中症のリスクが高まることも懸念しています。

 主に子どもが発症する「手足口病」が急増していて、東京都も警報を出すなど注意を呼びかけています。医師は手足口病にかかることで熱中症のリスクが高まることも懸念しています。

 東京都内では7月31日までの1週間に報告された手足口病の患者数が「警報基準」を超えました。手足口病は主に幼い子どもがかかりやすく、手足や口の中に発疹ができる病気です。感染者の急増で小児科のクリニックでは対応に追われています。江東区にある有明こどもクリニック・豊洲院の村上典子院長は「今年は1日5、6件の患者の受診がコンスタントに、ずっと続いている」と話します。

 村上院長によりますと今年は例年より1カ月ほど早く患者が増え始め、発疹の範囲が広く出るのも特徴だといいます。さらに記録的な暑さとなっている今年、手足口病の発症で子どもが熱中症になるリスクが高まることを村上院長は懸念しています。村上院長は「手足口病の嫌な点は、喉の水疱(すいほう)がつぶれるとすごく痛いこと。喉が痛いせいで水分が取りづらいという問題点も起き得る」と指摘し、喉に刺激を与えないよう常温に近い温度で少しずつ水分を取ることが大切だとアドバイスしています。

<夏に流行 子どもの感染症>

 新型コロナの第7波の脅威が収まらない中、他にも子どもを中心に夏の季節に流行する感染症があります。

 口の中や手足に発疹ができる手足口病は都内で3年ぶりに「警報レベル」の流行となっています。他にも、突然高熱で発症して口の奥に水疱ができるヘルパンギーナや、プールや温泉施設で感染することから「プール熱」とも呼ばれる咽頭結膜熱にも注意が必要です。この3つの病気に共通するのは、飛沫(ひまつ)や接触によって感染する点と、ワクチンや特効薬がなく対症療法が中心になる点が挙げられます。手足口病など子どもに流行する病気と新型コロナウイルス感染症は原因となるウイルスが違うため、新型コロナと同時に感染する可能性もあります。また“子どもに多い病気”という印象がありますが、大人でも免疫がないとかかることもあります。対症療法しかないため、子どもがかかった場合、喉が痛くて水分が取りにくく、脱水症状や熱中症にも注意し、解熱を促す必要があります。

 かからないためにはアルコール消毒が利かないため、日頃からの小まめな手洗いのほか、症状が収まった後も2~4週間程度ウイルスが便などを通じて排せつされるため、二次感染などを防ぐためにも手洗いは欠かせません。また、タオルの共用をしないことも大切です。

 有明みんなクリニック・理事長で医師の小暮裕之さんに話を聞きました。動画でご覧ください。

 

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