改正道交法が施行 “変わる免許制度”高齢ドライバーの思いは…

2022.05.14(土)

10:15

 改正道路交通法が5月13日から施行されました。この改正によって75歳以上の免許更新手続きに新たに検査が追加され、自動ブレーキなどを搭載したサポートカー限定の免許制度も始まります。“変わる”高齢ドライバーの免許制度について、当事者たちの運転に対する複雑な思いを取材しました。

 改正道路交通法が5月13日から施行されました。この改正によって75歳以上の免許更新手続きに新たに検査が追加され、自動ブレーキなどを搭載したサポートカー限定の免許制度も始まります。“変わる”高齢ドライバーの免許制度について、当事者たちの運転に対する複雑な思いを取材しました。

 この日、東京・武蔵野市の教習所で行われていたのは、免許更新のための高齢者講習です。70歳以上の都内在住の高齢者を対象に、加齢が及ぼす運転への影響や高齢者の交通事故の現状について講義が行われました。講習では150度以上の視野があるかどうかの検査や、動体視力の検査も行われます。その後、高齢者は実際に車を運転し、同乗する指導員が交通ルールに従った運転ができているかチェックします。右左折を繰り返し、対向車や歩行者に対する安全な走行ができるかどうかに加え、アクセルを踏み込んで縁石にわざと乗り上げた後、急ブレーキを踏めるかどうかのチェックなどが行われました。

 講習を終えた高齢者からは運転感覚の衰えを感じたという声が多く聞かれた中、「もちろん絶対に事故を起こさないように安全運転をしようと思うが、早く自動運転がきてほしい」と運転へのサポートを求める声も聞かれました。

 ドライバーは“生活の足”として必要不可欠な車を何十年にもわたって運転し続けてきました。しかしその年月の積み重ねが「過信」につながると教習所は警鐘を鳴らしています。武蔵境教習所の桜井英樹教務部長は「自分自身は大丈夫だという認識から大きな事故になっているのがほとんど。自分は大丈夫だとか他の人に運転のアドバイスをするようなタイプの人は、どちらかというと自分の運転がおろそかになる傾向がある。『ペダルの操作がこれだけ遅れたら運転を控えよう』とか、自分の中でボーダーラインを引いて考えてもらうきっかけになれば」と話しています。

 

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