海底火山の噴火で発生した軽石を瞬時に活用した魚に感動

2021.11.23(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月17日(水)放送の「FLAG NEWS」では、各地に漂着する“軽石問題”と、それにまつわるある発見について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月17日(水)放送の「FLAG NEWS」では、各地に漂着する“軽石問題”と、それにまつわるある発見について取り上げました。

◆軽石が11月末に千葉・東方沖漂着の可能性…

小笠原諸島の海底火山の噴火で発生したとみられる軽石が各地に漂着している問題で、大量の軽石が今週末にも伊豆諸島に到達し、周辺に滞留する可能性が高いという最新の予測を海洋研究開発機構が発表。本州沿岸よりも軽石が留まる伊豆諸島での影響が懸念されるとしています。

公表されたシミュレーションによると、11月4日に高知県沖で発見された軽石は14日ごろに静岡県の沖合に漂着し、その後、東に進んで伊豆諸島周辺に流れ着き、一時的に滞留。そして、下旬には千葉県の東方沖などに広がっていくとしています。ただ、軽石の動きは太平洋を西から東に流れる黒潮がどう影響するかによって速度が変わるため、予測される到達時期は確実ではないということです。

◆軽石問題に悩む沖縄で感じた幼魚の逞しさ

軽石が最初に漂着した沖縄では、まず漁港に多く流れ込みました。幼少期から漁港をメインフィールドに観察をしてきた岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんは、軽石の動向を案じます。

鈴木さんによると、そもそも漁港は外のものが中に吸い込まれていく構造になっているため、「今回の軽石や人間が出したゴミなどの終着点でもある」と語り、「漁港は環境を知るための入口でもあることがわかる話題だった」と今回の一件を振り返ります。

そして、報道では軽石による環境や漁業への影響が懸念され、鈴木さんも心を痛めていた一方で、新たな発見もあったと言います。それは10月末、沖縄の漁港に漂着した軽石にくっついてアミモンガラという南方のカワハギの仲間が大量に入ってきたこと。

アミモンガラは、海鳥など外敵に狙われないよう海に浮かんでいるものにくっつく習性があり、これまでは海藻やゴミなどの下にくっついて日本へと流れ着いていたものの、今回は軽石が利用されました。これに鈴木さんは「(軽石は)彼らにとっては急に現れた新たなアイテムなのに、こんなにも瞬時に活用して生きている」と驚きの声を上げ、「幼魚の逞しさを改めて感じた」と感心しきり。

なお、このアミモンガラは“死滅回遊漁”と呼ばれ、南の暖かい海出身であるため「冬になって海水温が下がると、それ以上生きられずほとんどがそこで死んでしまうか、もっと暖かいところに行くかという流れ」と解説します。アミモンガラは、以前から黒潮の影響で南方から関東にも漂流していたことから、「軽石によって(生態系などに)大きな変化はないと思う」と見解を示しつつも「こればかりはなんともわからない」と話し、軽石が及ぼす影響を案じていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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