東京2020大会の柔道で約40試合を裁いた、日本人として唯一主審を務めた天野安喜子さんの思い

2021.09.28(火)

17:00

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会が開催された東京での様々な取り組みや人々の思いを紹介する「Our Legacy」で、日本が史上最多9個の金メダルラッシュに沸いた柔道競技で日本人として唯一主審を務めた天野安喜子さんを紹介しました。

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今回は東京2020大会が開催された東京での様々な取り組みや人々の思いを紹介する「Our Legacy」で、日本が史上最多9個の金メダルラッシュに沸いた柔道競技で日本人として唯一主審を務めた天野安喜子さんを紹介しました。

◆Our Legacy「柔道審判員 天野安喜子」

東京2020大会が開催された東京を舞台に行われる様々な取り組みや、そこに関わる人々の思いを紹介する、「Our Legacy」。
今回は、日本が史上最多9個の金メダルラッシュに沸いた柔道競技で審判員を務めた方に取材してきました。

訪れたのは、江戸川区にある柔道場。
ここで、子どもたちに柔道を教えていた女性は、東京2020大会の柔道競技で、日本人として唯一、主審を務めた、天野安喜子さん。約40試合を裁きました。

(天野安喜子さん)
「国際柔道連盟の審判員になってから、約20年になるんですけど、(東京2020大会は)その良き集大成ができたかなと。負けた選手も、次の大会を目標に進められているということを耳にしますと、私の裁きは間違いではなかったかなと思っています。審判員は男性中心だったが、女性の審判員も育てていこうということが、東京都の中でも話題になりまして、そこで、役員もやっていた父の娘ということで白羽の矢が立ち、そこから、審判員をやったらどうだという父からの助言でスタートしました」

道場を営んでいた父親の影響で、幼いころから柔道に触れて育った天野さん。自分にできることがあればと引き受けました。

(天野安喜子さん)
「私が選手のときの審判員というのは男性が中心で、従って、まだまだ若い、しかも女性の私が裁くという、そういった感覚というのはなかったんですけれど、幼いころから柔道競技、男の子の中に入って柔道を練習していたので、男性と女性との垣根というのが、そんなになかったですね。本当、ごくごく自然に男性社会の方へ入っていけた気がします」

2008年の北京オリンピックでは、日本人女性として初めて、審判員に選出。女性審判員の先駆者として活躍してきました。
そんな天野さんが、父親から受けた影響が、もうひとつ。

(天野安喜子さん)
「父を追いかけて、今は、鍵屋15代目当主として活動しています」

実は、天野さんの実家は、江戸時代から続く、宗家花火鍵屋。修業の末、歴代初の女性当主として、15代目を襲名しました。花火の組み合わせや順序を決めて、東京の夜空を鮮やかに演出します。
花火と柔道、二つの伝統を紡ぐ天野さんには、ある美学が。

(天野安喜子さん)
「花火というのは、間が命だと思っているんですね、打ち上げるリズムですね。間が空きすぎてしまうと、お客さんの感動の前で終わってしまいますよね。それと一緒で、柔道の方も、リズムを作るというのが大切なことで、選手が『今、攻める』っていうときに、私が『待て』としてしまえば、攻め入るチャンスをなくしますし、リズムを作るということは、花火師の仕事を通して柔道に活きてきていることかなと思いますね」

天野さんが思い描く未来とは…。

(天野安喜子さん)
「この先、女性審判員も、もっともっと増えてくれればいいなと思うし、東京2020大会を終えて、今度は育成の方に力を注いでいこうと思います」

日本の伝統にも多様性の風を。新たな挑戦に向けて、帯を締め直します。










<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

 

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