東京・渋谷区が高齢者にスマホ無料貸し出し 講習会も実施

2021.09.21(火)

10:05

 9月20日は敬老の日です。日本で増えている高齢者がスマートフォンで情報を得ることができるよう、東京・渋谷区は新たな試みを始めました。

 9月20日は敬老の日です。日本で増えている高齢者がスマートフォンで情報を得ることができるよう、東京・渋谷区は新たな試みを始めました。

 敬老の日に先駆け、総務省統計局が発表した9月15日時点の高齢者人口は3640万人でした。全人口に占める高齢者の割合は2020年より0.3ポイント増え29.1%となり、1950年以来「過去最高」を更新中です。高齢者の割合が増える中、渋谷区では高齢者の情報格差を解消するため、スマートフォンの無料貸し出しなどをする実証事業を開始しました。

 渋谷区では「LINE」を活用した区民への情報配信や、防災アプリといったデジタルサービスを進めています。しかし、渋谷区に住む65歳以上の高齢者4万3000人のうち、およそ25%がスマホを持っておらず、普段から区の提供するサービスを十分に活用できていない現状がありました。渋谷区では高齢者がデジタルサービスを活用できない問題を解消するため、65歳以上でスマートフォンを持っていない区民に向け、スマホの無料貸し出しやスマホを活用した講習会を行う実証事業を行っています。新型コロナ対策として、会場では距離を取り、パーテーションが置かれたほか、全てのブースは消毒を行って利用者を迎えました。スマホの無償貸し出しは2年間で、その間の通信料や通話料は区が負担します。また、渋谷区役所など6カ所の会場で3回の講習会が行われ、その後も個別相談を1回行うことができます。参加者からは「講習会の場を行政が提供してくれれば、これから高齢者が社会に出て行けるんじゃないかなと思う」といった声も聞かれました。区の担当者は「講習会と個別相談が終わった後も、どういった形で区がサポートしていくと皆さんに引き続き楽しんで使ってもらえるのかも検討しながら、今後も2年間しっかりサポートをしていきたい」と話します。

 渋谷区は高齢者がスマホを使えるようになることで、災害が起きたときに避難情報がリアルタイムで届かないというリスクが減ることに期待しています。

 

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