ワクチン接種のキーマンがZ世代と“若者のワクチン接種”について議論

2021.09.02(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月30日(月)の放送では特別企画「モニフラZ議会」を開催。河野太郎ワクチン担当大臣を支える小林史明内閣府大臣補佐官がZ世代の論客と“若者のワクチン接種”について議論しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月30日(月)の放送では特別企画「モニフラZ議会」を開催。河野太郎ワクチン担当大臣を支える小林史明内閣府大臣補佐官がZ世代の論客と“若者のワクチン接種”について議論しました。

◆コロナ収束の鍵は“若い世代”のワクチン接種

8月29日の都内の新型コロナウイルス新規感染者数は3,081人。7日連続で前週の同じ曜日を下回りましたが、重傷者数は296人と過去2番目の多さに。死者数も14人と深刻な事態が続いています。また、年代別には最も多いのが20代で817人となっています。

感染拡大防止に期待がかかるのがワクチン接種ですが、27日公表のワクチン総接種回数は1億2,453万回。2回目の接種が完了した割合は43.5%で、65歳以上の高齢者は86.9%。一方、政府のポータルサイトの数値では、医療従事者等を除く65歳未満の接種率は18.5%。若い世代へのワクチン接種が感染収束の鍵となっています。

現在、政府は寸暇を惜しんでワクチン対応に臨んでおり、小林補佐官は「1人でも早く、多くの方に(ワクチンを)打っていただけるよう頑張っている」と実情を語り、「若い人たちがどうしたらワクチン接種に前向きになれるのか、今回はぜひ当事者としての意見を聞きたい」とZ世代の論客に期待を寄せます。

◆若者だけがワクチンを打てないわけではない!?

都内23区の中で年代別のワクチン接種率を公表している区のデータを見てみると、最も高かったのは台東区ですが、それでも20代は3割にも届きません。また、最も低かったのは足立区で、20代の接種率は10.2%。

また、東京都のモニタリング会議による「ワクチン接種を受けようと思うか」というアンケートでは、「接種しない」「わからない」という回答が20代男性や20代・30代女性で特に多い結果に。

さらに、街中で若者の声を聞いてみると「受けたいが副反応に抵抗がある」、「悪い噂しか聞かないのであまり受けたいと思わない」といった副反応への恐怖心と、「予約が取れない」など打ちたいけど打てない現状への不満が多数。すでに接種済みの方もいましたが、そのなかには「受けるのを渋っていたが、周りが受け始めたのを聞いて受けた」という声もありました。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんも「飲食業をやっているのでいろいろな方と出会う機会があるが、ワクチンを接種したくてもできない人が多く、まだまだその意見が一番印象に残っている」と実感を語ります。

こうした状況について小林補佐官は「今はワクチンを打ちたいと思っている人が大勢打ちに行っている状況で、若者も打っていると考えている」と決して若者だけがワクチンが打てないわけではないと示唆。4月から提供しているワクチン接種記録システム上は、現在年代問わず急角度で接種率が伸びていると言い、「今の時点で若い人たちが打っていないということではなく、今は打ちたいと思っている人たちになるべく多く打つ機会を作っていく大事なフェーズに差し掛かっている」と自身の考えを述べます。

◆予約なしのワクチン接種は9月後半には可能!?

東京都では8月27日より若者を対象に予約なしでワクチン接種できる会場を渋谷区に設けましたが、これに若者が殺到。早朝から長蛇の列ができ、1日200~300人程度の接種では足りないという声が多く見られました。小林補佐官は「予約なしで打てるようにするのは、多様な働き方をしている特に若い世代には重要な取り組み」と東京都の取り組みを支持しつつ、「東京都内に16歳以上39歳以下の人が約400万人いるなかで、1日200人程度となると全然ボリュームが足りない」と指摘。政府も含め、タイミングに見合った施策の重要性を訴え、「おそらく予約なしでワクチンが打てる場所はもう少し先、9月後半ぐらいに提供するとちょうどいいのではないか」との見解を示します。

というのも、高齢者3,600万人がワクチンを接種するのに5~7月の約3ヵ月を要し、残りの国民約8,000万人に8~11月で接種するとなると、8月に予約が殺到するのは当然のこと。「だからこそ状況に合わせてしっかりとした施策をとっていくことが重要」と小林補佐官は改めて主張。

そして、今後の目処としては10月初旬には12歳以上の人口の8割が接種できるだけのワクチンが全国の自治体に行き届くと言い、「10月中旬程度にはみなさんが打てる状況が出来上がる」と明言。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、国の政策として若者のワクチン接種率が上がることは是としながら、街中の声にもあった「周りが打っているからなんとなく打つ」という風潮に「今の社会のなかでそれが正しいのか、危険なことだと思う」と警鐘を鳴らします。

その上で「なぜ打つ必要があるのか真摯に説明しなければいけない」と主張。さらには、「ワクチンを打った先にどんな社会が広がっているのかが見えてこない。それを見せた上で、最終的に打つか打たないかは個人が決めるべき。周りが打っているから打つように仕向けるのは違う。まずはとにかく説明していくことに尽きる」と訴えます。

大空さんの主張に、小林補佐官は「日本で、これほどワクチンについて考えられたことがない」と前例がないことを示し、「なぜワクチンを打つ必要があるのか考える大事な機会」と言います。そして、「ワクチンを打つメリットと打たずにコロナに感染するかもしれないデメリット、どちらが大きいのか冷静に考えてもらえるようにしっかりと情報提供したい」と意欲を見せます。

◆ワクチンが及ぼす妊婦への影響は?

多くの若者がワクチンに不安を感じているのと同様に、妊婦の間でも心配事は多く、さまざまな情報が錯綜しています。小林補佐官によると妊婦に関しては当初、海外からの情報では全員に打つ必要はない、望む人だけとあったそう。しかし、データが蓄積されると「妊婦の方が重症化しやすい」、「ワクチンを接種してもしなくても流産などの比率は変わらない」ということがわかり積極的に打つようにと変化しました。

そのため、小林補佐官も「情報は常に更新されていく、その更新された情報を当然我々も提供していくが、みなさんにも自分から情報をとり、考える、その環境を実現したい」と切望。

なお、アメリカCDC(疾病対策センター)は妊娠前や妊娠20週以前にワクチンを接種した約2,500人の流産リスクを調査したところ、通常の流産発生率と大差はなかったと発表。妊娠を考えている人や妊婦、授乳中の人にもワクチン接種を勧めるとしています。

長内さんは「ワクチンを打って10年後、20年後の方がまだいないから、今後どんなことが起こるか誰も正解を知らないので不安を感じ、ワクチンを打つのをやめる方も多い」とZ世代の意見を代弁。さらには、妊婦への影響に対し「コロナに感染してしまうと今は病院にも行けなかったり、発熱してしまった方が赤ちゃんへのリスクが高まるかもしれない。自分たちで情報を取りに行くと同時に、赤ちゃんのことなども踏まえ、多くの情報を吟味して考えていかなくてはいけない」と注意を促していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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