起業が中学生のカリキュラムに! 未来の起業家を育成する「起業ゼミ」

2021.07.13(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月23日(水)放送の「フラトピ!」では、“若者の起業”についてキャスターの田中陽南が取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月23日(水)放送の「フラトピ!」では、“若者の起業”についてキャスターの田中陽南が取材しました。

◆中学生のときから起業を学ぶ「起業ゼミ」

今回、田中が訪れたのは、東京・調布にある「ドルトン東京学園」。ここでは中学生を対象に「起業ゼミ」という授業が行われています。IT企業・ガイアックスから講師を招聘し、生徒が考案したアイデアを実際に検証するなど起業のプロセスを主体的に学べます。

そして、授業のなかでは事業金が獲得できるプレゼン大会も実施され、そこで見事にサポートを得た3年生の藤本真己さんは自身の体験をヒントに事業を発案。食物アレルギーに困っている彼女が立ち上げたのは「Happiness Project」というプロジェクトで、飲食店の入口などにアレルギー対応可、食品の持ち込み可を意味するウェルカムステッカーを貼ることで食物アレルギーの人が気軽に外食できるようになるというサービスです。このプロジェクトを拡大するためにSNSを開設し、宣伝費用を得るためクラウドファンディングを行うなど、精力的に活動を行っています。

なぜ中学生が起業を学んでいるのか。起業ゼミを立ち上げた木之下瞬先生は、「問題を設定したり、それを解決していくプランを考えるだけでなく、そのプランの先、アクションを起こすところまで繋げ、始めて探究になるという思いからこの起業ゼミを始めたいと思った」と語ります。生徒の反応も上々のようで「起業ゼミをやっていくなかで、子どもたちから質問が出たり、行動して聞きにいくなど情報やアイデアを取りにいくという姿勢が見えるようになってきた」と手応えを感じている様子。

◆200万円の事業金を獲得、未来の起業家

3年生の堀内文翔さんは200万円の事業金を獲得。彼が考えたサービス「リアルタイムクーポン」は、お店の都合に合わせ即時にクーポン作成・発行できるというもので、しかもスマートフォンで入力するだけと簡単。「お店の状況は、瞬時に状況が変わり、行ってみたら満席だったり、ガラガラだったり、そういった状況のなかで何かできることがないかなと思ったのが、サービスを考えたきっかけ」と堀内さん。

実際にこのサービスを活用している居酒屋からは、「急な雨や予定通りお客様がお越しになられないときがある。そういうときに、クーポンの内容や期間などを全部好きなように設定できるので非常に助かっている」と感謝の声も。このサービスは現在、多摩市のみで展開していますが、1日にログインしているユーザー数が少ない日があるなど、まだまだ課題も多く、堀内さんはそれらを解決するために日々尽力していると言います。

そんな堀内さんに将来の夢を聞いてみると「起業家が(夢の)1つに入っていて、自分の考えたサービスが社会貢献できることに一番魅力を感じているので、社会貢献できるようなサービスをどんどん作っていきたい」と意欲を見せていました。

講師をつとめる株式会社ガイアックスのスタートアップスタジオ責任者の佐々木喜徳さんは「(中学生は)社会はこういうものだという固定概念がないので、新しい事業アイデアを考えるときに柔軟な発想で見つけられる。私たち大人が思いつかないようなアイデアが出てくるのでそれが一番大きなメリット。吸収力も行動もどんどんチャレンジできる中学生の頃から起業を学んでもらうことで起業家を増やしていくことができると考えて取り組んでいる」と話します。

なお、藤本さんの「Happiness Project」、堀内さんの「リアルタイムクーポン」のほかにも、自分の推しの芸能人の予定をファンのなかで共有・管理できるというサービス「芸能人の予定がわかるカレンダー」などが事業金を獲得しています。

◆起業する人が少ない日本は、逆にチャンス!

イベント好きが高じて8年前の18歳のときにイベント会社を起業した作家で起業家の小幡和輝さん。当時を振り返り、「(起業時は)正直ニーズはあまり考えていなかった。どちらかというと自分がやりたい、こういうものが欲しい、そういった思いが遥かに強かった」と言います。

そして、起業ゼミに対しては「みんなこうやれば儲かるだろうではなく、自分が思っている課題やこんなサービスがあったらいいなという思いからきているので、すごくいい」と絶賛。「結局、こうしたら儲かるだろうということはみんな思いつくし、競合が多い。お金や時間をかけた、能力のある大人と戦わなくてはいけないので、子どもがやるなら自分の原体験からくるもののほうがいい」と高く評価します。

現在、日本における起業状況はまだまだ低く、起業したいと思っている人と起業した人のデータなどを数値化したものを見ると、アメリカの15.6に対して、日本は5.3とアメリカのおよそ3分の1。なぜこうも起業が少ないのか、小幡さんは「そもそも学校で教わらないのが1つ」と指摘。さらには「チャレンジしようとした人をあまり応援してくれない」と言います。小幡さん自身、起業時は応援してくれる人もいたものの、最初はすごく叩かれたと自らの体験を告白。

投資額は欧米に比べるとまだまだ大きな差があるものの、この10年で日本のベンチャーキャピタルも格段に成長しているようで、小幡さんは「今はどちらかといえばお金が余っている。起業する人が少ないので、日本は逆にチャンスかもしれない」と期待を寄せます。そして、最後に小幡さんは起業を目指す人に向け、「まず1円を稼ごう」とアドバイス。

そして「アイデアだけではなく、それを形にし、1円でもいいのでお客さんからお金をもらうことが大事。お金をもらうことが一番大変なので、まずはそれをやる。そして、お金をもらえるとうれしくなり、さらに頑張れる」とメッセージを送っていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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