TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」（毎週月～金曜7:00～）。6月30日（水）放送では、7月4日（日）の東京都議会議員選挙（都議選）に向け、“選挙に行かないZ世代”をテーマに意見を交わしました。

◆Z世代が選挙に行かない最大の理由とは？

昨今、「若者は投票に行かない」とよく言われますが、キャスターの堀潤が20代の頃も同じことが叫ばれていて、「（若者の）投票率が上がってこないことはずっと問題視されていた」と言います。

現状はどうなっているのか。2017年の都議選の年代別推定投票率を見てみると、「21～24歳」が25％と最も低く、最も高いのは「70～74歳」で、その推定投票率は74％。

こうした状況に対し、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、堀と同じように「あらゆる世代で、その時々の若者は投票率が低かったりするので、今の若者が特段低いわけではない」と主張します。

では、なぜ若者が選挙に行かないのか。50人のZ世代に話を聞いてみると、そのなかの約1割が挙げていたのは、SNS中心の生活をするZ世代ならではの「情報が入ってこないから」。2番目に多かったのは「投票しても変わらない」という諦めの声。その他にも政策や投票のやり方が難しい、さらには政治や選挙について教えてくれる環境が少なかったという意見も。

そして、全体の40％以上と最も多かった回答は「興味がないから」。

「シンプルに関心がない」（会社員・24歳）、「選挙に出ている人たちは僕たちと近い年齢ではないので」（大学生・18歳）、「（若者は）面白いものには食いつくけど、政治はそこまで楽しいコンテンツじゃないから」（大学生・23歳）、「前の都知事が東京都のお金を使ってしまったが、そういうことがあると信頼なくなるし、選んで失敗したと思いたくない」（大学生・21歳）といった声が寄せられました。

同じZ世代のキャスターの田中陽南は「興味がないから」という意見が多いことに衝撃を受けつつ、一方で「（若者の）投票率が上がらないことで、政治家から若者への発信も減ってしまうのでは」と危惧します。

◆政治に関心がない＝生活に満足している!?

こうした状況を打開するにはどうするべきなのか。それを考える前に、大空さんは「なぜ投票率を上げる必要があるのか」と問いかけます。「ただ投票率を上げたいのであれば、オーストラリアのように義務化し、罰金化すればいい。でも、それでいいのかという話」と疑問を呈し、「政治に関心がないことは悪いことではなく、ある程度生活に満足しているということ」と示唆。

つまり、日本は選挙で投票せずとも幸せに生きている人たちがたくさんいるということで、「本来やらなくてはいけないのは、投票する意味はなんなのか。それによって何が起こるのかを明確に示すこと」と大空さん。さらに、Z世代からは「政治は楽しいコンテンツではないから」という意見がありましたが、楽しいからといって参加するのは1つのきっかけにはなるものの、「それが実際の生活と結びつくかといえば疑問がある。本当に必要なのは、自分たちの生活と政治がどの程度関わっているのかを知っていくこと」と言います。

その上で、今の若者と政治・社会に関する問題について言及。「社会問題に関心を持つというのはベクトルが外に向いていること」と語る一方で、「自分で学費を払い、今の生活にいっぱいいっぱいな人たちのベクトルは基本的に内向きで、外に向ける余裕すらない」と指摘。つまり、ある程度の余裕がないと社会問題に関心を持つことができないということで、そういった若者をサポートし、「ベクトルを少しでも外に向かせるきっかけを作っていくことがファーストステップ」と大空さんは訴え、「それをすっ飛ばして社会問題に関心を持ちましょう、政治に参加しましょうというのはおかしな話」と持論を述べます。

これには堀も大いに頷き、「そうした支援を待つ人、サポートが必要な人、制度改革を望んでいる人たちのために何ができるのかという参加をぜひ促していきたい」と意欲を見せていました。

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＜番組概要＞
番組名：堀潤モーニングFLAG
放送日時：毎週月～金曜 7:00～8:00　「エムキャス」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter：@morning_flag